【富山県氷見市】手ぶら初心者でも港近くで大物GET♡一緒に料理できるゲストハウスも


“寒ブリ”が有名な富山県・氷見市。こちらにはブリに限らず、年中さまざまな魚が獲れる、素晴らしい漁場があります。

以前、富山県・岩瀬の記事でも書きましたが、富山湾は「天然のいけす」と表現され、沿岸から一気に水深が深くなるうえに海底に多くの隆起をもち、魚介類の格好の住処になっています。
さらに立山連峰から豊富な栄養分を含んだ水が流れ込むため、そこに住む魚介類はすくすく成長。初心者さんにも釣りやすい、恵まれた漁場があちこちに広がっているのです。

もちろん氷見も、そんな恵まれた釣りスポットの1つ。
しかも港には初心者さんに優しい釣り船があり、町には釣って来た魚を一緒に料理してくれる、楽しいゲストハウスまであるのです。

氷見へ遊びに行くなら、お店に並ぶ魚介を食べるだけではもったいない!ぜひ、ご自身だけの魚を釣って、自ら料理して食べてみるのはかがでしょう。

初心者さんにも優しい釣り船「海坊主Ⅴ」


氷見駅から車で15分ほどの港に船を構えるのが、今回お世話になった釣り船「海坊主Ⅴ」さん。

初心者や女性、子供も歓迎の船で、竿やライフジャケットなど専門的な道具はレンタルOK。予約時にオーダーしておけば、発泡スチロールなども用意してもらえるので(買取り。サイズによって料金上下)、とても身軽にチャレンジできます。

出港時間は早朝が基本ですが、状況によって遅め・お昼など相談可能。この日もゆっくり9:30出港でした。
ターゲットや釣り方はさまざま。時期によっても変わるので、予約の電話で船長に相談するのがオススメです。

釣りスポットから陸地が近い

今回は「タイラバ」という仕掛けを使って、真鯛や根魚を狙うことに。
港を出て15分ほどの場所に船を停めたら、さっそく船長からレクチャーです。


船長が手にする鉛の球体がタイラバ。この球に針を通し、ヒラヒラしたゴムの飾りを付けるのが一般的で、水中に落とすと好奇心おう盛な魚たちが寄ってきて、噛み付いたときに針がかかって釣れる…という仕組みです。

実演してくれるので、わかりやすい

釣り方は単純で、タイラバを底まで落としたら、一定のスピードで数メートル〜数十メートル巻き上げて、異変がなければもう一度…の繰り返し。
ポイントは魚がツンツンちょっかいをかけてきても、動じずに同じスピードで糸を巻き続けること。ここでスピードを上げたり、逆に巻くのを止めてしまうと、魚がびっくりしたり怪しんだりして逃げてしまうのです。

初心者さんも同乗されましたが、船長の実演を1,2度見ただけで釣り方を理解。すぐに実践してみることに。

タイラバを水中に入れ、するする〜っと出て行く糸が止まり“トンッ”と海底に着く感覚がしたら、ゆっくり糸を巻き上げます。
「どれくらいの速度で巻くのがいいかな〜」とボーッと考える私。すると隣で釣り初心者の男性の竿に異変が。

「なんか、ツンツンされてるかも」と周りをキョロキョロする男性。「大丈夫!そのまま同じペースで巻いて、巻いて、巻いて…。」船長が隣にきてアドバイスします。

そうしているうちに、男性の竿が海面へグイーンッと引っ張られるように。「かかった!そのまま巻いて〜」。
周囲に応援されながら、一生懸命に糸を巻き上げていくとそこには、高級魚「キジハタ」が。

開始数分、手ぶらでやってきた初心者さんが、いきなりキジハタGETです。しかも港から15分ほどの近場で。これが富山の実力…!

私の竿にも異変…!

「すごいです!写真撮らせてください…って、あれ?」
一度糸を巻き上げて、写真を撮らせていただこうかと思ったら、私の手にも「クイックイッ」と違和感が。
そのまま冷静に同じスピードで糸を巻いていくと、徐々にクイッがグイッに変化していき、ついにグググ〜ッと確かな重みが。

「きました〜!」と声をあげ、糸を巻き上げていくとそこには。

これまで釣ったレンコ鯛の中で最大

なかなか大きなレンコ鯛!
「良いサイズだね」と船長が褒めてくれ、そのまま鮮度を保つように“血抜き”などの処置をしてくださいました。

調子づいた私はそのまま釣り続け、

かなり引きの良かった真鯛

大きな真鯛に、

うっとりするほど、色艶が美しい甘鯛

高級魚の甘鯛などなど。


氷見の豊かな海を存分に堪能し、4時間ほどで釣りを終了しました。

一緒に料理が楽しめるゲストハウスへ

ビルを一棟借りしたゲストハウス

釣った魚と訪れたのは、海坊主Vから車で15分、氷見駅からは徒歩10分ほどに位置するゲストハウス「HOUSEHOLD」さん。
2018年7月にオープンしたばかりのこちらは、UIターンしてきたご夫妻2人が切り盛りする、1日2組限定の素敵な宿です。

ゆったり寛ぎたくなるリビングスペース

モダンで清潔感ある客室

4階建てのビルをリノベーションし、1Fは広々としたキッチン、2Fはギャラリー、4Fを客室にされています。(3Fは居住スペース)

開放的でオシャレなキッチン

「勝手口から始まる旅」がコンセプトで、完璧に作られた料理を一方的に提供する・されるのではなく、“ゲスト自らに食材を仕入れてもらい一緒に料理する”ことで、氷見の豊かさを味わってほしいと、さまざまな工夫をされています。

私は事前に「魚を釣ってくるので、一緒に料理してほしい」と予約時に相談したのですが、もうひとつ「買い出しツアー」にも申し込んでいました。
「買い出しツアー」は、普段ご夫妻が行く近所のお店に連れて行っていただくツアー。この日は魚にあわせる野菜が欲しかったので、「地元の野菜が買いたい」とリクエスト。

料理本など見ながら、献立を決定

まずは出発前に、ご夫妻と献立の作戦会議。そうして必要な材料が決まったら、いざ買い出しへ。

獲れたての魚介が並ぶ魚屋さん

日によって何が売っているかワクワクの直売所

この日はご夫妻が通う近所のショッピングモールへ。こちらには普通のスーパーの他、地元の鮮魚を扱う魚屋さんや、近所の農家さんが野菜をおさめる直売場が入っています。

ご夫妻オススメの野菜など教えてもらう

どの野菜にするか、ご主人と相談しながらお買い物。地域ならではな食材や料理の話を聞きながら、のんびり品物を選んでいると、なんだか地域の住人になって、友人と買い出しをしている気分に。

笑っちゃうくらい安い直売所の野菜たち

無事に夕飯用の野菜をGET。安くて新鮮な直売所、最高です!
ご主人とも仲良くなって、ゲストハウスへ帰還。

釣った魚を料理して食べよう♪

レクチャーしてもらいつつ、甘鯛を捌く

食材が揃ったら、いよいよ料理スタート!
ご夫妻のレクチャー&サポートを受けながら、丸ごとの魚を捌き、お刺身や鯛めしをつくっていきます。

お皿も選ばせてもらえて楽しい

作っている途中で、「こんなに食べきれなくない?」となり、急遽、鯛の塩焼きは取りやめに。このユルさが、友人の家で料理しているみたいで、また心地良い。

ゲストハウスをはじめようと思ったキッカケや、ご近所さんとの触れ合いなど、いろんなお話を聞いているうちに、楽しく料理タイムは終了。


こんな豪華な夕飯が出来上がりました。
ご夫妻のおかげで見た目も味もバッチリ!

箸で持つだけで弾力が伝わる

釣りたて甘鯛のお刺身は、プリップリで上品な甘さがたまらない。

野菜の煮浸しは、ひとつひとつの野菜自体の香り・味が濃くて、さすが採りたて地元野菜!

美味しさに思わず、この顔

鯛めしは、身はフワッフワ、ご飯にも鯛の出汁が染み込んでいて、ついつい「おかわり!」しちゃいました。

濃い出汁のお味噌汁がしみる!

そしてアラでつくった〆のお味噌汁は、旨味が深くて濃厚。氷見の旬をギュギュっと詰め込んだ、贅沢すぎるコースです。

みんなでワイワイ食べるのが、これまた美味しさの秘密

そして夕飯は、ご夫妻や、他のお客さんにもお裾分け。氷見の魅力から、ご夫妻の馴れ初めまで、まるで友達のように突っ込んだ質問もできるほど、仲良くなれました。

オシャレな店内に気分が上がる

食後はご夫妻にオススメされた、ご近所のクラフトビールのお店で一杯。
こちらもUターンしてきた若い兄弟が営む面白いお店で、店内で手作りのビールをどんどん開発しているそう。

人生初・煮干しのビール

私は「煮干しブラック」という変わりダネ黒ビールを注文。生臭かったらどうしよう…とドキドキでしたが、上品な苦さの中にふわりと旨味をまとった、味わい深い美味しさでした。

地域の食材が詰まった、豪華な朝食

そして塩焼きにしそびれた真鯛は、なんと翌日の朝食にお刺身として登場!最後まで優しさに溢れる、ステキすぎるゲストハウスでした。

さいごに

今回は富山県・氷見で「手ぶら初心者でも港近くで大物GET♡ゲストハウスで釣った魚を一緒に料理するプラン」を体験してきました。

旅は「サービスする側、される側」に分かれるのが一般的ですが、そこをふわっと濁してごちゃごちゃにして、地域の目線で楽しんだ方が、その地域ならではな本当の魅力が味わえると思います。

自ら釣って、自ら選んで、地域の人と会話しながら一緒に作る、食べる。そんな旅こそ、実は贅沢。氷見に訪れる際は、ぜひチャレンジしてみてください。

本プランの概要

<お勧めの時期>
1年中
<本プランでお世話になったお店>
・釣り船:海坊主Ⅴ
・ゲストハウス:HOUSEHOLD
<本プラン全体の予算目安>
・釣り:10,000〜円+レンタル代3,000円+餌代2,000〜円(プランによって上下)
・宿泊:9,900〜円/人(朝食付き)
※HOUSEHOLDでの夕食作りは追加料金はかかりません。ご夫妻の都合が合う時は、一緒に料理をしてくださいます。(事前に要確認)
※料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
<本プランのスケジュール目安>
※時間は上下します。下記は1つの目安としてご覧ください。(釣りは早朝出港の日が多いようです)
9:00 港に集合
9:30  出港
9:45  レクチャーしてもらい、釣りスタート(各自のペースで休憩などしながら)
14:00 釣り終了
14:15 帰港
15:00 ゲストハウスにチェックイン
16:00 夕飯の献立を考え、買い出しへ
17:00 料理スタート
18:00 夕飯
※必ず事前に予約をしてください。
※時間が前後する可能性があります。
<オススメの持ち物>
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。更に手にフィットする薄手の手袋を中にすると、ニオイがつくのも防げます。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
<その他>
・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。