【釣った魚で料理教室vol.1】美味しんぼシェフに教わる「無添加」魚料理のフルコース


青森県八戸(はちのへ)に「美味しんぼ」に描かれ、数々のメディアにも登場する“神業シェフ”がいらっしゃいます。

前回はそんな神業シェフと宿の向かいにある港で釣りをして、釣った魚をシェフが営む宿で夕飯に料理していただくプランをご紹介しました。

今回は釣り船で釣った魚を持ち込んで、料理教室をしていただくプランです。

「魚は釣りたてこそ美味しい!」と仰るシェフに、釣りたて魚のフルコースを教えていただきました。

手ぶら&初心者歓迎の釣り船で材料調達に

神業シェフが営むレストラン&宿から車で5分強。


大蛇駅から徒歩7分ほどにあるのが、今回お世話になった釣り船「さかした釣具店」さんです。

こちらは初心者さんもよく訪れるらしく、竿など釣りに必要な道具は全てレンタルOK

他の船で釣り初めての男性たちがレクチャー中

竿の使い方から丁寧に教えていただけます。

セッティングなどもやっていただける

私もいつも通り竿などは全てレンタル

軍手、そのなかにするピタピタ手袋、ウェットティッシュ、そして釣れた魚を持ち歩くための保冷バッグ(全て100均)のみを持参して挑みます。


何度も書いていますが、釣りをするときはこの「手袋2枚重ね」がオススメ!
内側のピタピタ手袋でニオイ移りを防ぎ、外側の軍手で手が傷ついたり日焼けしたりするのを防ぎます


準備ができたら船が出航。
20分ほどで釣りスポットに到着しました。

今回のエサは冷凍イワシ。


そのイワシを、こんな仮面に針がついたような不思議な道具にかぽっとはめます。


そして「バケ」という、こちらも不思議な道具と一緒に、竿から伸びる糸に付けます。


この2つを海の中に入れて竿を上下にふると、エサのイワシとバケが一定の間隔をあけて、くるくると回るように動き回ります。

この動きが魚から見ると「弱ったイワシを中くらいの魚が追いかけている」ように見えるらしく、横取りにきた魚がイワシにパクッと噛み付くと、針に掛かって釣れる…という仕組みだそうです。

道具は少し使いますが、これらも全て釣り船屋さんで揃いますし、動き自体は単純

レクチャーしていただきながら、水面で動かす練習をしたらすぐに慣れました。

大物を狙いたい方は初心者さんでも試してみてください。

もっと小さな魚で良いから道具が少ない釣りを…という方は、そういったプランもあるので釣り船屋さんに電話で「1番簡単なやつ」とお伝えすればOKです。

大物がたくさん!八戸の海に感動

練習タイムも終わり、さっそく釣りスタート!


水深50mほどにエサとバケを落として竿を振っていると、15分ほどで竿に違和感…なんだか重い。

これはもしや!と糸を巻いてみると、


ドーーーン!

1匹目から立派なソイが釣れました。
胴回りがパンパンで片手でもつのが辛いくらい。

そしてその直後、またまた竿に違和感。
先ほどよりは軽いけれど、何だろうと巻き上げてみると、


またまたソイ!

と、ここで船の反対側で異変。

「船長、糸が巻けないよ。何かに引っかかっちゃったかも…!」とお客さん。

なんだろう?と見に行くと、

「いや、ゆっくりだけど巻ける…かも?あ、重いけど巻けそうだ。」そう言ってお客さんが糸を巻き上げて行くと…


「あ、ヒラメだ!デカいヒラメだよ!」と船長。


なんと70cmオーバーの座布団のような巨大ヒラメが釣り上がりました。

お客さん、大喜び!うらやましい〜!

夢があるシーンを見せていただき、私も負けじと釣りを再開します。

結果、ヒラメは釣れませんでしたが、


良いサイズのメバルアブラメに、全部で10匹以上をGET

大満足で港へ戻りました。

しかし本番はここからです。

美味しんぼシェフの料理教室

お店で使う薪が山盛り

釣った魚をもって訪れたのは、美味しんぼも描かれる神業シェフが営むレストラン宿「洋望荘(ようぼうそう)」さん。

釣り船屋から車で5分強、八戸市の種差海岸駅から徒歩10分(送迎有り)にあります。

こちらは通常の宿やレストランとしての営業はもちろん、事前にお願いすれば「料理教室」も受け入れてくださいます。

普段は材料をすべて洋望荘さんで用意されますが、今回のように釣った魚を持ち込むことも可能です。

前日はシェフと釣りをし、息子さんに握っていただいた

シェフは「釣れたての魚こそ美味しい」というお考えで、普段からご自身で釣った魚をお客さんに出されています。(実はシェフは大の釣り好き♪)

だから釣りたて魚のお料理はお手のもの。
フルコースで教えていただけることになりました。


エプロンとサンダルをお借りして台所に入ると、そこはまるで映画のセットのよう。


広々とした空間に、所狭しと食材や調理器具が並んでいます。

今回はシェフと、その息子さん。
2人がかりで教えていただけました。

まずは魚を3枚におろすところから。


普段から釣った魚は捌いていますが、自己流なので一から教えていただきます。

なるほど!こうすれば良かったんだ…と目からウロコなポイントを聞きながら捌いていき、


ジャン♪綺麗に三枚卸しができました。

息子さんと一緒に、持ち込んだ魚の大部分を3枚卸しに。

下処理ができたら、いよいよ各料理のスタートです。

メバルの潮汁

まずは三枚卸しで余ったメバルの頭を使った汁物から。


ウロコが付いたままの頭に熱湯をさっとまわしかけ、冷水をはったボウルで優しく撫でると、簡単にウロコがはがれ落ちます。

同時にクサミの原因になる血合いなどを取り除けば、雑味のない出汁をとれます。

鍋に頭と、シェフのレストランで使っている出汁(自宅で普段使う出汁でOK)を入れてじっくり煮込んで行きます。


ここでポイントは「肝」を一緒に煮込むこと。
冷水にさらして血抜きをした肝をいれることで、スープに深みが出るそうです。


あとは塩で味を整えれば…あっという間にメバルの潮汁の完成です。

ソイの甘露煮

続いては甘露煮(煮付け)。
こちらも熱湯をかけて冷水で洗い、ウロコや臭み、雑味を取り除きます。

そうしたらフライパンに移し、自家製のお醤油やテンサイ糖、黒糖、純米酒などで煮詰めます。


ブクブクと気泡がたってきたら、汁を身にまわしかけます。
ひっくり返すと身が崩れてしまうので、上からかけるのが正解。

さらに煮付けてテリテリになったらお皿へ。


しょうが、ネギ、胡麻をふりかけたら、ソイの甘露煮が完成です。

メバルの立田揚げ


ひと口台に切ったメバルの身に小麦粉を薄くまぶして、高温の脂でカラッと揚げます。

最近知ったのですが、小麦粉って品種や生産者さんで味がかなり違うそう。
洋望荘さんはさすがこだわりがあって、「岩手のあすなろ」の指名使いでした。

釣りたてで生で食べられる身なので、薄めのきつね色になったらOK。


ネギ、胡麻、もみじおろしなど薬味と盛り付けたら完成です。

ソイの薫製


ここで良い香りのする袋が登場。
中には、なんと樹齢100年の桜の木のチップが。


こちらを大きい中華鍋に敷き、そのうえにアルミホイル、更に100均の網を乗せます。
ご家庭でも再現できるよう、身近な道具を使ってくれます。)


そして岩塩や胡椒、おろしたニンニク・生姜をすり込んだソイの身を乗せ、


燻します!
すぐに煙がたち、辺りに良い香りが♡

そして数分…蓋を開けると…


まるでチキンのように良い色&プリプリになったソイが!


これだけでも美味しそうすぎですが、シェフは更にお手製のガーリックオイルでソテー


見た目も香りもたまらない、ソイの薫製が完成です。

ソイの薄造り

お次はやはりお造り!

なのですが、その前にシェフがおもしろい技を教えてくださいました。


ソイの頭の胸ビレ。
この部分にちょいっと切れ目を入れます。


そして切れ目を入れたヒレをエラの中にエイッと押し込みます。
すると…


ソイが立った!

ピーンと姿勢よくソイの頭が自立してくれます。
プロの盛り付けってすごいと思っていましたが、こんな簡単な技もあるんですね。

あとは周りに薄く切ったお刺身を並べて行くだけ…なのですが、お刺身を引くってけっこう難しい。


そこでシェフのマンツーマンレッスン。

まずはまな板の前に立つ位置からはじまり、包丁の持ち方力の入れ具合などを順に教えていただきます。

その結果、


最初「左」だった切り身が「右」まで進化しました。
もはや別物!笑

そうして切ったお刺身を、先ほどのソイの周りに並べれば、

なんだか可愛い…

ソイの薄造りの完成です。
もみじおろしにネギも添えて、華やか!

ソイの握り

最後は息子さんに「握り」を見せていただきます。

合鴨農法の無農薬米に赤酢でつくったシャリ。
片手に軽く掴み、そのまま手の中で形を整えるのですが…難しい〜!


息子さんは一瞬で美しい握りを仕上げていきますが、私は全然。。

手伝っていただいて、ようやく一つ形になりました。


難しい…でも楽しい!ソイの握りも完成です。

釣って作ったフルコース実食♡


ということで、釣った魚でつくったフルコースが完成しました!!

見た目も華やかで、お料理雑誌に出てきそうです。

それにしても作っている間から、良い香りが漂いまくっているし、音も見た目も美味しそうすぎて、もうお腹がペコペコ過ぎ…。

ということで、

お行儀悪いですが、そのまま台所でいただきます♪


パク!


パクッ!!


おいしい〜!!!!!

潮汁は澄んでいるのに出汁がしっかり出ています。
爽やかなのにコクを感じるのは、やはり肝のおかげでしょうか。

甘露煮はふわっふわ
魚の旨味に加えて、自家製のお醤油が優しいのに深みがあって美味しいです。

立田揚げは鱗をあえて残して揚げたため外がサクサク、中はふわふわ。
このまま食べても甘みが強いのですが、赤酢と自家製醤油で作った二杯酢をかけると、更に甘みが引き立って感じます。

ソイの薫製は食べる前から優しい香りを醸し出し、口にいれると鼻から一気に香りが抜けて幸せに。
ガーリックの香りはほのかで、薫製の香りを底上げしてくれる感じでした。

焼く前の数倍に膨れ上がった身はしっかりしながらも柔らかくて、高級なチキンのよう。
シェフが仰るには「身が生きている」から焼くと膨れるそうです。

そして薄造りはぷりっぷり
淡白な甘い身に、赤酢と自家製醤油のポン酢をつけると、さっぱりしながらも甘みを感じられて最高です。

最後に握り。
ぷりっとした身の弾力と、ほろっとほぐれるシャリが合わさって、言うことなし!
赤酢とソイの身の相性はバツグンのようです。

お腹も心も大満足。
シェフたちの力を多分にお借りしたとはいえ、自分で釣った魚で、こんなに美味しいフルコースがつくれたのは、楽しすぎる経験でした。

最後に

シェフ(右)と息子さん(左)と記念写真

いかがでしたか?

今回は釣った魚を持ち込んで、美味しんぼにも描かれるシェフに料理教室をしていただきました。

いつものようにお料理屋さんに持ち込んで料理してもらう…のも贅沢なのですが、こうして自分でお料理すると、更に楽しい♪

釣って食べるに、さらにプラスαの充実感がありました。

ちなみに料金は、宿泊者さんはたった2,500円と激安です!

釣り船屋さんも近いですし、ぜひ宿泊して1日目はシェフの料理を楽しみ、2日目は釣り&お料理教室を体験してはいかがでしょう?

本プランの概要

<お勧めの時期>
5〜10月(11月〜4月はお休み)
<本プランでお世話になったお店>
・釣り船 さかした釣具店(浩丸)
・料理教室 洋望荘
<本プラン全体の予算目安>
約14,500円(宿代は別で10,000円)
・釣り船12,000:乗船代が6,000円。その他レンタル代など。道具の「バケ」が4,000円ほどと高いので、他の釣りにすれば価格が下がります。
・お料理教室:宿泊者は2,500円。宿泊者以外は5,000円。
<本プランのスケジュール目安>
5:30 釣り船屋さんで受付け
    竿などレンタル
6:00 出船
6:20 船に乗ってレクチャーを受けて釣りスタート
   時間はたっぷりあるので、自分のペースで休憩しながら楽しみましょう
13:00 釣り終了
13:20 帰港
13:30 移動
14:00 洋望荘で料理教室
16:00 料理完成
    実食
※船や食事の時間は変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
<オススメの持ち物>
・汚れて、濡れて良い服装(寒さや日焼けの対策はやりすぎなくらいで丁度いいです)
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。更に手にフィットする薄手の手袋を中にすると、ニオイがつくのも防げます。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
<その他>
・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。