「新鮮な魚には、日本酒がやっぱり最高♡」
そんなお魚好き・お酒好きな方にオススメすぎるプランを、富山県黒部市で発見しました。
なんと自分で釣った魚を温泉旅館で料理していただけ、更にその料理にあった地酒を酒師範が選んでペアリングにしてもらえるというもの!
「魚」と「水」が美味しいと評判の富山県で、そのコラボレーションが楽しめるなんて、こんな贅沢はなかなかありません。
1泊2日で周辺の観光名所まで楽しんできたので、ぜひこの記事で擬似体験してみてください。
腹ごしらえに、コスパ最強のサンマ定食
北陸新幹線が通る黒部宇奈月温泉駅から車で15分に位置する黒部漁港。こちらには漁師さんの船や、釣り船が数多く並びます。
隣には漁協さんが運営する魚の駅「生地」があり、目の前の海で獲れた新鮮な魚介が所狭しと並びます。もちろん魚の駅で魚介を買ったり、併設されたお食事処で刺身や寿司をいただくのもオススメ。
ですが、今回はそんな魚介を「自ら釣って食べる」という楽しみ方をご提案します。 まずは体を動かず前に腹ごしらえ。漁港から車で5分にある「北洋の館」さんへ伺いました。 こちらは水産会社の丸中水産さんが大正13年に建てた漁具倉庫の一部を、カフェ・ギャラリー・お土産屋として改装した建物。薪ストーブなどが配置されたおしゃれな空間で、お茶やランチを楽しめます。 ランチで見逃せないのが、丸中水産さんが自ら漁をしてきた「恵比須サンマ」の定食。(船名が恵比須丸)
なんと、大きなサンマに、たくさんの小鉢に、食後のデザート・コーヒーまでついて1,100円!
しっかり脂がのったサンマを筆頭に、地元の野菜などを活かした小鉢の数々は、どれも素材の味が活きていて絶品でした。
初心者・女性・子供に優しい釣り船「第二美丸」でお手軽釣り
美味しいランチで鋭気を養ったら、いよいよ釣りに挑戦。黒部漁港に船を構える「第二美丸(だいによしまる)」さんに向かいます。
第二美丸さんは、道具のレンタル・レクチャーに加え、今回体験した“午後スタートの3時間ぽっきりプラン”など、初心者、女性、子供に優しいサービスが充実した釣り船さん。船にトイレも付いています。
エサや氷、持ち帰り用の発泡スチロールなども予約時にお願いすれば用意していただけるので、多少濡れたり汚れたりしても良い服装をしていけばOK。
私はいつもの秘密道具と、日焼け止め、水分、酔い止めだけ持って、船へ乗り込みました。
・ウェットティッシュ(汚れを拭き取る)
・ピタピタの手袋(手の汚れ・臭いを防ぐ)
・親指、人差し指、中指を切った軍手(手の傷を防ぎ、魚もつかみやすい)
・ペンチ(魚の口から針を外す) 船はまず、町並みを走る運河を進みます。同じ町並みでも、歩くのと船で通るのでは見える景色が違って、思わずワクワク。 更に湾へ出ると、富山県ならではな「立山連峰」の壮大な景色が広がります。
そんな絶景を楽しむこと、わずか15分。早くも釣り場に到着しました。
富山湾は「天然のいけす」と言われ、沿岸から一気に水深が深くなり、海底に多くの隆起をもちます。そこに豊富な栄養分を含んだ立山連峰の水が流れ込むため、魚介類たちがすくすく成長する、格好の住処となっているのです。
そのおかげで、沖からすぐの場所にも漁場がたくさん。遠くまで船で行くのが不安という方でも安心です。
癒しと刺激がいっぱいの釣りスタート!
船長から竿の使い方から餌の付け方、釣り方などのレクチャーを受けて、さっそく釣りスタート。今回はカサゴなどの根魚がターゲットで、餌はホタルイカとオキアミ(小海老)。3本の針に餌を付けて海底まで落とし、底付近でエサがふわふわと漂うように、竿をゆっくり上下させます。
シンプルな釣り方なので、女性やお子さんでも簡単にチャレンジできそう。
少しすると景色や会話を楽しむ余裕も生まれ、「空気が気持ちいいね」「立山、綺麗だね」なんて、癒しの時間を味わうことができました。
そんなとき、急に竿先が“ビクビクッ”と小刻みに震え、海底に軽く引き込まれるような違和感が。「魚だ!竿先を上に上げて、魚を針に引っ掛けて!」船長のアドバイスに従って竿先を上げると、ずしりと重さを感じます。
「かかった!ゆっくり糸を巻いていって。」指示に従って糸を巻き上げると、水面に赤っぽい影が浮かんできます。
なんと、釣りはじめて10分ほどで、大きなカサゴを釣り上げることができました。生き物ならではの独特な「引き」と、生きた魚を海から直接「獲る」という達成感に、日常では味わうことのできない興奮を感じます。
この1匹だけでも夕飯になりそうですが、せっかくなので他の魚種も狙って釣りを続けます。
針にかからないほど小さな魚たちに、餌だけ食べられるという試練を乗り越えながら、小ぶりな真鯛やダブルHITのカサゴなどを釣り上げること2時間ほど。たくさん遊んで満足し、そろそろ港へ帰ろうかと話していたとき、私の竿がまたもや“ビクビクッ”と震えだしました。竿先をスイッと上へ上げると、何やら今日1番のズッシリした重み。
船長たちと「何だろう?」「大物だといいな♪」なんて話をしながら糸を巻いていくと、そこには…。
富山湾の冬の人気者「ウマヅラハギ」が!パンパンに膨れたお腹には、肝がたっぷり入っていそうです。「うわ〜、最後に良いのが釣れたね!これは刺身にして、肝と一緒に食べると最高にうまいんだよ!」船長が笑顔で教えてくださいます。
肝に刺身に日本酒なんて、最高の組み合わせ♡
うきうきしながら帰り支度をすませ、魚と共に港へ戻って温泉旅館へと向かいました。
お酒のお宿「喜泉」で魚を預け、ひと休み
絶景・温泉・お酒が楽しめる。喜泉さんHPより転載
黒部漁港から車で30分ほどにあるのが、宇奈月温泉街にある旅館「お酒のお宿 喜泉(きせん)」さん。
(多くの地酒が並んでいて、見るだけで楽しい。喜泉さんHPより転載)
こちらは黒部峡谷の雄大な景色と豊かな温泉、そして宿名にもある通り“お酒”が自慢。酒師範が好みや料理に合わせて、地酒を選んでくれます。
そんな喜泉さんが新たに「釣った魚を料理する」プランをスタート。釣った魚の料理に加えて、地酒とのペアリングまで楽しませていただけるそうなんです。
チェックインと同時に、釣った魚を預けます。「美味しそうなのが釣れましたね!ウマヅラハギは肝で食べるお刺身かな。カサゴは揚げたりしても美味しいですよ。」と、スタッフさんとの会話も盛り上がります。
部屋で荷物を置いたら、さっそく温泉へ。釣りの疲れをじっくりほぐし、夕飯に備えます。
釣った魚と地酒で、世界に一つだけのペアリングディナー
いよいよ待ちに待った夕飯の時間!
つい数時間前に、自分で釣ってきた魚が・・・。
船長イチオシの「ウマヅラハギの肝&刺身」もバッチリです。 さっそく、ハギの肝を身にたっぷりのせて一口。
「!!!!!!!」
言葉にならない、濃厚でまろやかな肝の風味が、口中に広がります。そしてプリップリの身を噛みしめると、上品な甘みがじわじわじわじわ…。 そんなとき、酒師範さんが富山の地酒「幻の瀧」を持って現れました。
「こちらは今召し上がっている魚が住んでいた水と同じ、富山県・黒部の水で作られた地酒です。旨味が強く、同じ水から生まれているので相性が良いんですよ。」と、説明しながらお酒を注いでくださいます。
ウマヅラハギの余韻が残る口の中に、幻の瀧を注ぎ込むと…。
「!!!!合う〜〜〜!!!!」
溜息と歓喜の声が、同時に漏れる美味しさ。これぞペアリング、これぞマリアージュ!
カサゴの刺身は釣りたてと思えないほど旨味が強く、同じくカサゴの塩焼きは身がふわふわジューシーで、お箸が止まらなくなりました。
もちろんお宿の通常コースのメニューも美しく美味しく、ついついお酒が進みます。
釣りの疲れもあって、コースの終盤には気持ちの良い眠気が。
しかし旅館の宿泊コースなので、「帰らなきゃ」という心配がないのが、このプランの嬉しいところ。
自分で釣った魚を中心としたフルコースと、富山の美味しい地酒で、心もお腹も満タンになってお布団に潜り込みました。
釣り以外の「水」の魅力も楽しもう
翌日はお宿でのんびり朝食をいただき、せっかくなので富山県黒部市の「水」を楽しむ観光へ。
●皇国晴酒造
こちらでは製造されたお酒を購入できるほか、なんとその原料である仕込水を試飲することができます。 偶然、代表の岩瀬さんがいらっしゃったので、特別に説明をしていただきながら試飲。
こちらの仕込水は、立山連峰に降り積もる雪の溶けた水が地下へと少しずつ滴り落ち、長い時間をかけて湧き出たもの。地元では「清水(しょうず)」と呼ばれ、日本名水百選にも選定されているそう。
味はまろやかで澄んでおり、昨夜いただいたお酒の芳醇な旨みを思い出しました。
●宇奈月麦酒館
こちらでは黒部の名水を原料にした地ビールを複数生産されており、その美味しさは、数多くの地ビール大会で1位に選ばれるほど。 館内では、出来立ての地ビールをレストランでいただける他、工場見学(事前予約)や、お土産用の地ビール量り売りなどを楽しむことができます。
●魚の駅「生地」
●下山芸術の森発電所美術館
こちらには「水」力発電所だった建物をリノベーションした美術館「下山芸術の森発電所美術館」さんがあり、現代アートを楽しむことができます。
水力発電所として使われていた天井高10mの巨大な空間を活かした、他では見られないダイナミックな作品は、普段アートを積極的に見ないという方にもオススメ。
部屋に入った瞬間、思わず「うわー!」と声をあげてしまうような面白い作品に出会えます。
展示内容は期間によって変わっていくので、思わずリピートしたくなってしまいます。
最後に
今回は富山県・黒部市で「釣った魚と地酒のペアリング♡温泉旅館で贅沢な大人釣り旅」を体験してきました。
魚に日本酒という組み合わせだけでも魅力的なのに、「自分で釣った魚」と「魚が育った水で作られた地酒」のペアリングで楽しめるなんて、これはもう最高!最強!ではないでしょうか。
グルメは旅の鉄板ですが、せっかくなら、世界で1つだけのペアリングを味わいに、富山県・黒部市に訪れてみてください!
本プランの概要
- <お勧めの時期>
- 1年中
- <本プランでお世話になったお店>
- ・釣り船:第二美丸
※要予約。ターゲットなど季節によって異なるので、詳細は船へご連絡ください。
・温泉旅館:お酒のお宿 喜泉
※魚の持ち込み専用プランを要予約。釣った魚は1人2匹まで料理していただけます。料理の内容などは宿と相談になります。
・初日のランチ:北洋の館
※恵比須サンマ定食は料理に時間がかかったり、品切れの場合があるので、予約することをオススメします。
・魚の駅「生地」
・皇国晴酒造
・宇奈月麦酒館
・下山芸術の森発電所美術館
- <本プラン全体の予算目安>
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・釣り:午後3時間乗船代6,000円〜/人
(その他に必要であれば、レンタル代2,000円、針など消耗品代1,000円、餌500円、 氷代500円、持ち運び用の発泡スチロール代1,000円)
・宿泊:20,000円〜/人(朝夕食付き)
※料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
- <本プランのスケジュール目安>
- ※時間は上下します。下記は1つの目安としてご覧ください。
▽1日目
11:00 北洋の館でランチ
13:00 港へ移動・乗船 (第二美丸)
13:15 レクチャーしてもらい、釣りスタート(各自のペースで休憩などしながら)
15:45 釣り終了
16:00 帰港
16:45 宿(喜泉)にチェックイン・釣った魚を渡す
17:00 温泉などに入ってゆっくり
18:30 釣った魚と地酒のペアリングディナー
▽2日目
8:00 朝食・チェックアウト
10:00 黒部名水巡り
11:30 道の駅「生地」でランチ・お土産購入
13:30 下山芸術の森発電所美術館を見学
※必ず事前に予約をしてください。
※時間が前後する可能性があります。
- <オススメの持ち物>
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・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。更に手にフィットする薄手の手袋を中にすると、ニオイがつくのも防げます。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
- <その他>
- ・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。