【釣った魚を持ち込める宿 vol.1】郷土料理「宝楽焼」とトロトロ温泉で淡路島を満喫!


淡路島の郷土料理「宝楽焼」をご存知ですか?
奈良時代に宮人が淡路島を訪れた際、海女が海の幸を焼き石にのせて振る舞ったのがはじまりとされ、いまでもおもてなし料理として出されることが多いそう。

現代では陶器でできた平たいお鍋に昆布をひいて、そのうえに魚介をのせて蒸し焼きにするのが一般的。

そんな「宝楽焼」を“自分が釣って持ち込んだ魚”でつくってくれるお宿を見つけたので、お邪魔してきました!

淡路島の海を全身で味わい、その魚で郷土料理をいただく。
さらに通常のおもてなし料理もたっぷりと♡

淡路島の魅力を存分に味わえるプランなので、ぜひ試してみてください。

まずは淡路島の海で釣りをしよう!

やってきたのは淡路島の北部にある港。
初心者歓迎・手ぶらOKの釣り船屋「三幸丸」さんです。

船を見て驚いたのが、なんとデッキにベンチが並んでいます。

こちらに座りながら、のんびり釣りができるそう。

いつも通り、道具はすべてレンタル


出発前にレクチャーしていただいて、いざ釣り場へ!


美しい朝焼けを見ながら港を出たのですが、少しすると…


すっごい霧!

1時間近く船が走り、鳴門橋すぐの位置まできたらしいのですが、まったく周囲が見えません。


そんななかで釣りスタート!

キビナゴ(魚)の赤ちゃんをエサにして海底の岩場まわりを探るように漂わせます。

少しすると続々と「釣れた!」という声が聞こえ出し、私も…


おいしそうなカサゴをGET!

その後も何度か針に魚がかかった感覚はあったのですが、糸を巻き上げる途中で逃がしてしまいました。

船は常連さんが多く、和気あいあいとした雰囲気。


みなさんはマゴチなど大物も釣り上げていました。

私は逃がしに逃がして、結局1匹だけ(汗)

関東と関西で魚の性質が違うのかな?
でも何度も魚はかかって「ビクビクッ!」という刺激は味わえたので楽しかったです。

しかも船長さんも常連さんも良い方たちばかりで、淡路の海にたっぷり癒されることができました。


途中からは霧も晴れて、鳴門橋も海から見学


船で用意してくださった発泡のクーラーに、なぜか私以外の魚も入り(笑)、大満足で港を後にします。

漁師のお宿は食事も温泉も最高!


やってきたのは港から車で40分ほどにある宿「松竹館」さん。

わざわざ40分かけてやってきたのは、このお宿がとにかく美味しい魚介料理を出してくれると聞いたから。

というのも、こちらのご主人は「淡路島一の鯛獲り」と名高い漁師さんなんです!
だから年中、真鯛をはじめ美味しくて新鮮な魚介がお腹いっぱい食べられるそう。

しかも場所が「うずしお温泉」というトロットロの美人湯で有名な温泉地にあって、もちろん宿でもその温泉が堪能できます。

少し遠くても行く価値あり!


到着すると、さっそく玄関先に大きな水槽が。
中には元気なお魚たちが泳いでいます。

そんなお魚たちと同じくらい新鮮!
釣ってきたばかりのお魚を玄関先で預けます。

なんと松竹館さんでは無理がない日であれば、事前にお願いすることで釣った魚をお料理していただけます

「釣れたんだ〜、良かったね!」と漁師さんに褒められて、それだけで嬉しい♪

夕飯に出してくださるとのことで、待ちわびながらお部屋へ。

畳敷きの和室はお隣とふすまで仕切られているので(開けられない仕組みにはなっているみたい)、音は漏れがちですが、広々として掃除も行き届いていました。

夕飯まで少し時間があるので、先にもう1つの楽しみである温泉へ向かいます。


内装がすごく凝っている…とか、露天がある…というわけではなく、ごくシンプルなつくり。
なのですが、このお湯がとにかく最高でした。

入った瞬間から、とにかくトロットロ
なんとなく…ではなく、身体にまとわりつくのがわかるレベルです。

気に入って翌朝も入ったのですが、それから3日以上、全身が驚くほどツルツルしていました。

「このお湯持って帰りたい!」と本気で惚れ込む泉質。
いつか温泉に籠れる機会があったら、うずしお温泉にしたいと思います。

いよいよ夕飯

温泉で癒され、少しお部屋でのんびりしていると夕食の時間に。

松竹館さんは部屋食プランのみになるのですが、部屋数が6室のみなので、出来立てを持って来てくださいます

ビール片手に前菜などをいただいていると、現れたのが…


ドーーーン!

大きなお皿にもりもりと盛られたお刺身に、しゃぶしゃぶ用の真鯛
真ん中の姿造りになっている「オコゼ」は、まだ生きていました

刺身盛りから堪能


命に感謝しながらオコゼをひと口。

おお!こりっプリッとした歯ごたえ
それに熟成させたような濃厚な甘みと旨味を感じます。

オコゼの活き造りをはじめていただきましたが、こんなに美味しいものなのかと感動しました。

続いて真鯛。

真鯛はストレスのある状態で調理すると身が白くなり、ストレスをかけないと身がうっすら飴色になる。
尊敬する魚のプロにそう教わったばかりだったのですが、さすが松竹館さんの真鯛はうっすらと飴色になっていました。

こちらはプリプリ感だけでなく、もちっとした食感
オコゼより一層ねっとりとした甘みが口いっぱいにひろがります。

さすが淡路一の鯛漁師。絶品です。

そしてこちらは「アナゴ」のお刺身。

アナゴをお刺身でいただくのは初めてだったのですが、これがコリコリしていて美味しい!

普段は煮たり焼いたり、ふっくらした身を味わっていましたが、生のアナゴはコリッとした食感なんですね。
食べた瞬間、濃厚な旨味と香りに包まれますが、後味…というか後の香りは爽やか
新鮮だから可能な「お刺身」という食べ方に感動。

イカやサザエも歯ごたえがあって、磯の香りたっぷりで美味しかったです。

真鯛のしゃぶしゃぶ

続いてはしゃぶしゃぶ。
ひと切れずつが大きい

アラで出汁をとり、さっそくしゃぶしゃぶ。

サッと出しにくぐらせると、外側が熱でくるっと丸まります。
中が生で残るくらいに軽く火をとおしたら、ポン酢を少しつけて…

ぱくっ

お、お、お、おいしいーーーーーーー!!!


もう文字にできないくらい美味しい
あんまり“美味しい”って言葉を使っちゃいけないんだろうけど、とにかく美味しい。

これは食べてくださいとしか言えないです。
淡路の獲れたて鯛、最高

次回はぜったい真鯛釣りやります。
そして自分で釣った真鯛でこのしゃぶしゃぶを…♡
妄想するだけでお酒が進む。。


ちなみに合わせているお酒は、なんと「玉ねぎ焼酎」
淡路島は玉ねぎの産地として有名なんです。

甘みとコクがしっかりあるんですがクセが無いので、いろんなお料理に合います。

宝楽焼


そして待ってました!
淡路島の郷土料理「宝楽焼」
こちらに私の釣ったカサゴと、いただいたマゴチが入っています。


松竹館さんでは大きくて平らな鍋の上に小石を並べ、その上にアルミホイルをしいて魚介を並べています。


この蒸し焼きが、驚くくらいに潮の味わいたっぷり

しょっぱいということではなく、味わいはちょうどいい塩加減で魚介の旨味をダイレクトに感じられるくらい。

それに対して、鼻を抜けるのが本当に爽やかで濃厚な潮の香りなんです。

蒸し焼きにする時に海水を使っているのか聞いたのですが、お酒しか使っていないそう。


釣った魚を自宅で蒸したりするのですが、こんな香りは出たことがありません。
石を使ってじっくりと蒸し焼きにするなかで、この旨味・香りが沸いて来るのでしょうか。

先ほどまで海で元気に泳いでいた魚を自分で釣って、その地域の郷土料理にしていただく…。
ただ美味しいだけでなく、地域を丸ごと味わえたような充実感を味わうことができました。


美味しかったーーー!!

最後に

いかがでしたか?

松竹館さんは普通に泊まりにいっても大満足の、料理も温泉も、そして心遣いも素晴らしいお宿でした。

しかし自分で釣った魚を持ち込ませていただくことで、そのおもてなしの中に自分も加わることができたような、より深く地域に入り込めたような感覚を味わうことができます。

ただサービスを消費させてもらう旅行も楽しいですが、ぜひその一部に自分もプレイヤーとして加わってみてください。

きっと地域の魅力をより深く味わうことができるはず!

本プランの概要

<お勧めの時期>
年中
様々な魚の釣りが楽しめます。
詳細は釣り船屋さんへお問い合わせください。
<本プランでお世話になったお店>
・釣り船屋 三幸丸
・宿 松竹館
<本プラン全体の予算目安>
約23,000円〜
(中学生以下は釣り船の割引があります)
・釣り船:竿・エサ・仕掛け・氷・持ち帰り用の発泡クーラーなど全て含んで約13,000円
・宿:朝夕2食付きで約10,000円〜
※料金は店都合で変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
※こちらの予算に飲み物代は含まれていません。
<本プランのスケジュール目安>
5:30  港に到着
    受付け、レンタル、レクチャー
6:00  出港
7:00  釣りスタート
13:00 釣り終了
14:00 帰港
15:00 宿へ移動
    お風呂に入り、釣った魚を料理してもらって食べる
    翌日までのんびり
※スケジュールはあくまで目安となります。
※船や飲食店の営業時間は変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
<オススメの持ち物>
・汚れて、濡れて良い服装(寒さや日焼けの対策はやりすぎなくらいで丁度いいです)
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
<その他>
・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。