身はフグ、肝はあん肝。そんな夢のような魚がいるのをご存知ですか?
それは「カワハギ」
特にお勧めなのは、新鮮な肝を軽く醤油でといた「肝醤油」をたっぷりつけていただくお刺身…。
濃厚な旨味に思わずうなってしまいます。
そんなカワハギは高級魚のため取り扱っていないお店も多く、あっても価格が高いことがほとんど。お腹いっぱい食べるのは難しい…であれば、
釣ってスペシャルコースを作ってもらおう!
ということで「肝醤油でカワハギを堪能しよう!」の誘いにのってくれたメンバーが集合しました。
肝パンのカワハギを求めて
「肝パン」とは一部の釣り人たちが使う造語で、「肝がパンパンに膨れた状態」を指します。
カワハギは身を食べるなら夏、肝を食べるなら冬と言われ、肝醤油で食べるなら肝が膨れる冬に狙うのがお勧め。
釣って食べるプラン第1弾「人生最高のアジフライ」でもお世話になった一ノ瀬丸さんに今回もお邪魔しました。
手ぶらでOK!初心者歓迎の釣り船へ
金沢八景駅(品川から京急で30分程度)から徒歩5分にある釣り船屋「一ノ瀬丸」さん。竿など専門の道具はもちろん、なんとウェアや長靴まで何でも貸してくれるので、手ぶらで行ける手軽さが魅力です。
寒さや暑さへの対処は自分でしっかりしなくてはいけませんが、私は寒い時期はスノーボードで使っていたヒートテックやダウンを再利用し、そのうえにレンタルしたウェアを着て、水と汚れを防ぐようにしています。
この日は丸一日船に乗るプランのため6:45に集合。(アジなどはお昼集合の半日船もあります。詳しくはコチラ)
受付けで女将さんに「全てレンタル」「レクチャーもしてほしい」旨を伝えると、テキパキと準備をしてくれます。
船代が男性は9,500円、女性はなんと6,000円。それに竿のレンタルが500円、ウェア・長靴のレンタルが500円、仕掛け(ターゲットの魚に適した針や糸などの部品がセットされたもの)などで約500円。私の場合で約7,500円でした。
船に乗るとさっそく船のスタッフさんがやってきて、竿の使い方から仕掛けのセット、エサの付け方など丁寧にレクチャーしてくれます。今回のエサはアサリ。カワハギはえさ取り名人と呼ばれていて、おちょぼ口でチョンチョンッと針についたアサリだけをついばみ、私たちが気付かないうちに逃げてしまいます。
だから、「なるべくアサリを小さくつけること」「積極的に竿を動かしてアサリを食べられにくくすること」が大切なんだそう。
アサリのついた針を海底まで落としたら竿を持ち上げたり下ろしたり。海底をノックするように動かします。日によってもう少し海底から上げた方が良かったり、逆に海底につけたまま糸を弛ませる方が良かったり。そこは船のスタッフさんに教えてもらえば大丈夫。
カワハギ釣りスタート!
港から船が出て40分ほどでカワハギ釣り場に到着。
私はエビス様(ヱビスビール)を海に少しだけ撒いて、大漁と安全な釣行を祈願。さっそくアサリを針につけてカワハギ釣りスタートです!
開始数分・・・
隣の女子にHIT!!と思ったら、トラギスでした。
リリースすることも多いトラギスですが、「天ぷらにすると実は美味しい」という船長の言葉にキープ。
その後も何匹かトラギスを釣り、「なかなか釣れないね〜」と話していたら、今までにないグググッという良い引きが。
糸を巻いてみると、、
きました!本命のカワハギ。
その後もゆるゆるとビールやワインを楽しいながら和やかに釣りをし、結果。
カワハギを中心に、まさかの高級魚ホウボウやカサゴも混じって大漁!
満足して港へ戻りました。
今回もお店の方が手作りのお味噌汁を用意して迎えてくれます。
ここまででも十分楽しい一日ですが、もう1つメインイベントが待っています。
そう、お店に持込んでスペシャルコースを作ってもらいます!
中目黒で釣った魚がオシャレすぎるコースに
中目黒の和創作ビストロ「眞か-SHINKA-」
こちらは伊勢エビをはじめ様々な高級食材を、鉄板焼きを中心とした美しい創作料理で食べさせてくれる素敵なお店。普通のお客さんとしてお邪魔するなかで「釣りが趣味なんですけど、今度釣った魚を調理してもらえませんか?」と冗談半分でお願いしたところ、まさかのOKをいただき、それから何度か魚の持ち込みをさせていただいています。
大々的に「釣った魚の持ち込みOK」とされているわけではないですが、事前に相談すれば可能な範囲で引き受けてくださる優しいお店。
料金は釣った魚の種類や量、お料理の内容によるので電話などで確認するのが良さそう。
1Fのカウンターをはじめ、店内はデートや接待で使うオシャレな仕様なので、お願いする際はご迷惑にならないよう気を付けましょう。
今回は8名で3Fの席へ。
すると席に、さっそく素敵すぎる演出が!
そしてビールで乾杯!
前菜が出て少しすると、さっそく出ました!本日のメイン料理といっても過言ではない。
「カワハギ肝醤油の刺身」
「美味しい!濃厚〜!!!」
あん肝と例えられるように濃厚で独特な旨味の詰まった肝が、淡白で上品な白身に絡んで最高。
下世話な言い方ですが、「これは高いだろうな」と思ってしまう深みのある味です。
釣れたてだから食べられる生の肝は単体で食べてももちろん美味しく、トロリと舌の上でとろけます。
日本酒にはもちろん、白ワインもお勧め。(ということで白ワインをオーダー)
次に出て来たのはホウボウのお造り。
見た目の華やかさを生かした盛りつけに、また感動。
引き締まった身は噛むほどに甘みが滲み出して来て、これも美味!
寝かせて少し熟成させた魚も美味しいですが、やはり釣れたての身のぷりぷり感や爽やかな甘み、生で食べられる肝の美味しさはやめられません。
みんなで美味しい美味しいとお刺身をいただくなか、出て来たのはカサゴの唐揚げ。
じっくり火を通してから最後に高温で仕上げてくれたようで、外側はカリッカリで香ばしいけれど、身はふっくらふわふわ。そして骨まで火が通っていて頭から尾までまるまる美味しく食べられます。
ラストはトラギスの天ぷら。
いつもはリリースしてしまうトラギス。どんな仕上がりになっているかドキドキしながら一口食べると…。
「え、美味しい!」
「ふわっふわだよー!」
全員がまさかの絶賛。「人生最高のアジフライ」のときと同じ原理か、揚げる前よりも明らかに身が膨張しており、そのふわふわの感触に驚きます。
(釣れたてを揚げると身に含まれた水分が外に逃げようと身を膨らませる by 某釣り船の船長)
どのお料理も本当に美味しくて、気付けばビールにワイン、日本酒とどんどんお酒が空いてしまいます。
お腹いっぱいにオシャレなフルコースを作っていただき、お酒もたくさんいただいて、この日のお会計は1人約6,000円でした。
こうして「釣って食べる」を趣味にしてみると、それまで知らなかった魚の旬や贅沢で美味しい食べ方を学べて、本当に楽しいです。
また、自分が釣ったという感動や命への感謝の気持ちで、お料理がより一層、美味しく感じられます。
更に今回のようにホウボウなど珍しいゲストが飛び込むと、その魚を使ったお料理が出たときに、釣ったメンバーにみんなで感謝したり自慢されたり。そんなやり取りも面白いです。
一日思い切り遊んで自然に癒され、魚の引きに刺激を感じ、釣れたてだけの美味しいお料理とお酒に舌鼓。こんな贅沢な体験はなかなか無いのではと思います。
初心者さんでも楽しめるプランもたくさんありますので、ぜひチャレンジしてみてください!
本プランの概要
- <お勧めの時期>
- 夏〜初春
肝を狙うなら秋以降がオススメ
- <お世話になったお店>
- ・釣り船屋 一ノ瀬丸
・飲食店 中目黒の和創作ビストロ「眞か-SHINKA-」
- <全体の予算目安>
- 約13,500円(男性は約17,000円)
・乗船、竿などレンタル、仕掛け、エサで7,500円(男性は11,000円)
・調理と酒代で約6,000円(調理代についてはお電話で相談してください)
※船の料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
※飲食店での支払いは持込んだ魚の量や種類、ドリンクの飲んだ量などで異なります。
- <スケジュール目安>
- 6:45 金沢八景の釣り船屋に集合
竿などレンタル
7:15 出港
8:00 レクチャーを受けて釣り開始
時間はたっぷりあるので、自分のペースで休憩しながら楽しみましょう
15:00 釣り終了
15:30 帰港
17:00 中目黒の飲食店へ移動(営業前に魚を預ける)
17:30 カワハギを中心としたオシャレコースを堪能
※船や飲食店の営業時間は変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
- <オススメの持ち物>
- ・汚れて、濡れて良い服装(寒さや日焼けの対策はやりすぎなくらいで丁度いいです)
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
- <その他>
- ・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。