海に浮かぶ幻の町「京都・伊根」。1日1組限定の舟屋に泊まって、釣りしよう♪


京都と言えばお寺や舞子さんなど古都の町並みを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は「海」も素晴らしいことをご存知ですか?

天橋立で知られる京都北部。
そこから更に北に位置するのが、日本最多230軒ほどの舟屋が現存する「伊根町」です。

昔ながらの舟屋に船が保管されている

海の上に建つ舟屋は1階が船置き場や物置・作業場、2階が住居の一部などとして使われてました。

現在もそのまま利用されている舟屋もありますが、一定数はリノベーションされ、宿や飲食店など新たな役割をもって生れ変わっています。

今回はそんな舟屋のなかでも「1日1組の限定貸切」そして「手ぶら釣りに連れて行ってくれる」という素敵なお宿に泊まってきました。

1日1組、舟屋を貸切れる宿「鍵屋」


雰囲気のある町並み。
写真の右側に並ぶ建物は、実はそのほとんどが海に佇む「舟屋」です。

この辺りの住宅はほとんどが「母屋」と「舟屋」のセットでできており、写真左が普段の生活を送る母屋で、右が船の管理や作業をする「舟屋」なのです。


今回お世話になった宿「鍵屋(カギヤ)」さんは、母屋を自分たちの生活空間に、舟屋を「1日1組限定の宿」としてリノベーションされました。


中は和モダンな空間になっており、1階は食事をや景観を楽しめる広々としたリビングになっています。

大きなガラス窓で区切ってはありますが、部屋の中まで海が入り込んできそうな景観が特徴。


扉を開けるとかつて船置き場だった名残が。海の上に建物が建っているのがわかります。


2階の寝室もさすがのオーシャンビュー。
建物だけでなく、景観までを独り占めな気分になれるのが贅沢です。


宿の脇には数本のロープが海からのびています。
その1本を引き上げてみると…


なんと中にタコとハタ!

こちらは「もんどり」という伝統の漁で、大きなカゴの中に余った魚のアラなどを入れ、海の中に置いておくと、さまざまな海産物が勝手に入ってくるというもの。

海の資源が豊富で海が近い(というより、家が海の上に建っている)伊根では、古くから親しまれる手法で、漁師たちが家で食べるおかずをとるために仕掛けることが多いそう。


タコとハタはご主人がその場で処理をされ、滞在中に食べさせてくれることになりました。

非日常な空間と体験に、早くも癒されてしまいます。

舟屋から釣りに行こう!


舟屋に泊まるのと同じくらい楽しみにしていたのが、「舟屋から行く釣り体験」

舟屋の中から…ではありませんが、目の前に停められた船で釣りに出ることができます。

サーカスのように細い板をつたって船に乗る

道具はもちろん全てレンタルで、レクチャー付き
舟屋のご主人が一緒に釣りをしてくださいます。


船が出て海から改めて街並を見ると、これがまた感動の連続。
まるでジブリ?日本のベネツイア?何と例えたら良いのかわからない、唯一無二の景観に圧倒されてしまいます。


舟屋郡を越えた後の自然の景観も、また素晴らしかったです。

20分ほど船を走らせて、今回の釣りスポットへ。


釣り方を教えてもらいつつ、釣りをスタートします。

今回は「ジグ」と呼ばれる長細い鉛を糸に結び、海底までジグを落としたら数メートル糸を巻いて、また落とす…という釣り方。

エサを付け替える手間もなく簡単ですが、うまくいけばブリなど大物を釣り上げることができます。


この日は大物とはいきませんでしたが、小さめのサワラとイカ、フグ、ハタなどを釣ることができました。


1番釣れたのは「エソ」というカマボコの原料に使われる魚。
こちらはすぐに食べることが難しいということで、元気なうちにリリースしました。

魚が釣れたり、糸が切れてしまったり…。何かあるとすぐにご主人が助けてくれるので、初心者さんだけでも安心。
気軽で楽しい釣りタイムでした♪

釣った魚をさばいてもらおう

鍵屋さん公式HPより

鍵屋さんは食事も自慢!
地元の海産物を中心に、ごちそうを用意してくださいます♪

そして嬉しいのが、釣れた魚を夕飯や朝食でお料理してだしてくださるところ。


私が泊まった日は所用でどうしても鍵屋さんで夕飯を食べられなかったのですが、晩酌時と朝食に釣った魚&もんどり漁でかかった魚を出してくださいました。


まず釣りでGETしたイカは晩酌時にお造り&湯引きで。

プリコリの歯ごたえと爽やかな甘みがたまりません♡

通常の朝食も豪華でした!

そしてもんどり漁のハタは朝食時に豪華な姿造りで。

もっちりブリッとした身と上品な旨味で、朝からお酒が飲みたくなってしまいました。

鍵屋のご主人&奥様と

鍵屋のご主人はUターン組で、一度は関東に出て就職していたそうです。

しかし人口が減り寂しくなっていく地元を盛り上げたいと帰郷。
「1日1組限定の舟屋宿」を初めて立ち上げ、注目を集めました

今では鍵屋さんに続け!と10件以上の舟屋宿ができ、国内はもちろん海外からも観光客が訪れます。

鍵屋さんに泊まってご主人と触れ合ううち、「伊根を好きになってほしい」「お客さんに楽しんでほしい」という熱意を何度も感じました。

その想いがサービスにも建物にも現れていて、癒しの詰まった最高の1泊2日を過ごすことができました。

さいごに

絵になる景観があちこちに

伊根は言葉では書き表せない、美しすぎる異空間でした。

海に浮かぶ舟屋郡を見ていると、まるで映画か絵本の世界に紛れ込んでしまったような気持ちになります。

舟屋に船を引き揚げる様子

そんな町には古くから引き継がれる舟屋という建物はもちろん、ご先祖たちの想いや文化がたくさん詰まっている気がしました。

京都は市内ももちろん素敵ですが、海側も同じくらい…もしかするとそれ以上に魅力的です。

ぜひ海の京都を五感で味わいに、伊根を訪れてみてください。

本プランの概要

<お勧めの時期>
年中
<本プランでお世話になったお店>
・舟屋:鍵屋
<本プラン全体の予算目安>
・宿泊代:24,000円〜(2食付き。3名以上のときは1人21,600円〜)
・釣り代:5,500円(竿などのレンタル代を含む)
<本プランのスケジュール目安>
15:00 チェックイン
    少しのんびり。周囲の散策など。
16:00 夕飯の前にレクチャーしてもらいながら釣り
18:00 帰港。
    お風呂に入るなどしてのんびり。
19:00 夕食
    ※釣った魚の料理する量などで前後
8:00 朝食(釣った魚やもんどり漁の魚がいただけることも)
    のんびり
10:30 チェックアウト
<オススメの持ち物>
・短時間ですが船釣りなので、念のために酔い止め。アネロンが特にオススメです。
<その他>
・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。