これまでに約100人のビギナーさんを釣りに連れて行った私ですが、そのなかで1番反響の良かった誘い文句がこちら。
「人生最高のアジフライ、食べにいかない?」
だから、このメディア「ツッテ」で初の釣って食べる記事も人生最高のアジフライではじめたいと思います。
舟盛りや一匹丸ごとの煮付けに比べると地味なイメージのアジフライを、なぜこんなに奨めるのか…。それは、実は数々の釣り立て料理を食べてきた私が特に衝撃だった料理の1つが、このアジフライだから。
もちろん他の料理も釣りたては一味も二味も違います。自分で釣った!という感動も加わって、その味はどれも感動級。しかし、そのなかでもアジフライは「釣り立ての魚」という違いが明確にわかるんです。
私がそれまでに食べて来たアジフライといえば、しっかりした(なかには固くなった)アジの身を衣で揚げたもの…という印象。正直あまり美味しいと思ったことがなく、揚げ物はもっぱら肉派でした。
でも初めて釣りたてのアジでつくったアジフライを食べたとき、その概念が覆されたんです!
サクッとした衣の中はただひたすらに「ふわっふわ」。揚げる前よりもふわりと身が膨らんで厚みが出ている!そして噛むほどにジュ〜〜っと旨味が。これが本当のアジフライ…!?
アジフライが大好きという方はもちろん、私のように元々はアジフライにあまり興味がない方にこそオススメします!
釣ってこそ味わえる「人生最高のアジフライ」。まずはこの記事で味わってみてください。
最高の釣り立てmyアジを求めて
人生最高のアジフライを食べるため、まず必要なのは最高のアジです。これは高いお金を出してブランドアジを買えば良いのではなく「釣りたて」ということが大切。
というのが、以前ある釣り船の船長さんから聞いた話なのですが、よくあるアジフライは冷蔵・冷凍した身、つまり日が経って水分が抜けた身をフライにするから固い仕上がりになってしまうそう。
それに比べて釣り立てのアジは魚本来の水分をしっかりその身に蓄えているので、揚げると内側から水分が外に出ようとその身を膨らませてふわっふわに仕上がるそうなんです。そして衣で閉じ込められた旨味の汁がジュワワ〜っと…!
(船長個人の見解ですが、本当にそうだろうと思うふわふわさ。)
だから、まるでグルメマンガのようですが、「自分で釣ってすぐに料理していただく…」それが1番美味しいのです。
さらに鮮度だけでなく、自分で釣った…という感動や命への感謝の気持ちが、薬で言うプラシーボ効果のようにより美味しさを倍増させてくれます。
お昼集合・手ぶらでOK!初心者歓迎の釣り船へ
今回お邪魔したのは金沢八景駅(品川から京急で30分程度)から徒歩5分にある釣り船屋「一ノ瀬丸」さん。
竿など専門の道具はもちろん、なんとウェアや長靴まで何でも貸してくれるので、手ぶらで行ける手軽さが魅力です。
寒さや暑さへの対処は自分でしっかりしなくてはいけませんが、私は寒い時期はスノーボードで使っていたヒートテックやダウンを再利用し、そのうえにレンタルしたウェアを着て、水と汚れを防ぐようにしています。
市ノ瀬丸は女性のスタッフさんも多く、この日も受付けには女性が2人。女将さんに「全てレンタル」「レクチャーもしてほしい」旨を伝えると、テキパキと準備をしてくれます。
ちなみに釣りというととにかく朝が早いイメージがありますが、中には「午後船」という、お昼集合でOKのプランもあります。金沢八景には特に午後船を出している釣り船屋さんがいくつもあるので、まずは体験してみたいビギナーさんにお勧めです。
この日も「人生最高のアジフライ、食べに行かない?」の誘いに集まってくれたビギナーさん10人ほどが一緒だったので、アジの午後船で予約。船代が男性は6,200円、女性はなんと約半額の3,500円。それに竿のレンタルが500円、ウェア・長靴のレンタルが500円、仕掛け(ターゲットの魚に適した針や糸などの部品がセットされたもの)が250円。私の場合で計4,750円でした。
船に乗るとさっそく船のスタッフさんがやってきて、竿の使い方から仕掛けのセット、エサの付け方など丁寧にレクチャーしてくれます。今回のエサは赤く染めたイカと虫。
釣りをはじめるハードルとして「虫が触れない」という方がいますが、私も触れないのでご安心下さい。どの魚も虫以外で釣る方法があり、今回も私はイカのみで釣りました。
アジ釣りはコマセというイワシのミンチを写真にある網目状の鉄カゴに入れて、エサを付けた針と一緒に海底まで投下。海底から数メートル(今回は船長の指示で2メートル)の位置で竿を振ることでコマセが海底に振りまかれ、そこに寄って来たアジがコマセをパクパク食べているうちにエサと一緒に針をパクッと食べて釣れる…という仕組みです。
みんなでしっかりコマセを撒いて、アジを呼び寄せる&定着させることが重要。つまりチームワークが大切な釣りです。
アジ釣りスタート!
港から船が出て30分ほどでアジ釣り場に到着。みんなで一斉にコマセを海の中に投下します。
私はエビス様(ヱビスビール)を海に少しだけ撒いて、大漁と安全な釣行を祈願。実はこの願掛け、もう2年ほど続けています。 最初はみんな初めてなので、竿の使い方や、エサが海底につく感覚にとまどっていましたが、船のスタッフさんが1人1人のもとを回って丁寧に教えてくれたので、次々に「釣れた!」の声があがります。アジはかかるとビクビクッという独特の感覚があり、それにハマる人も多いです。私もそんな感覚にハマった1人。
釣り船屋に行く途中で立ち寄ったコンビニでお酒を買っていたので、みんなでお酒を楽しみつつ、独特のヒキに刺激を受けます。
今回は比較的陸に近い東京湾が釣り場だったので、橋やビルが遠くに見えました。それでもコンクリートに囲まれた日常に比べると、船に乗って大きな海にカモメと一緒に浮かんでいるだけで、これはもう非日常。ぼーっとしているだけでリフレッシュできたと何人も言っていました。 途中からはアジに混じってイシモチも釣れだし、気付けば軽く100を越える魚がクーラーボックスに。この日は急に気温が下がったため魚が釣れにくいかも…と言われていたのですが、大満足の結果となりました。 港へ戻ると女将さんたちが熱々のお味噌汁と甘いかりんとうを用意してくれていました。2月のまだ寒い海で冷えた身体が芯から暖まります。
釣った魚はもちろん全て持ち帰りOK。自宅で料理するのも楽しいです…が、今回オススメしたいのは飲食店への持ち込みです。
最高のmyアジを「人生最高のアジフライ」へ
川崎 高田屋の「魚釣り 持ち込みコース」
蕎麦居酒屋チェーンの高田屋さん。なんと川崎駅店が限定で「釣り人向けの釣った魚持ち込みプラン」を用意されています。
店内には大きな魚の魚拓が並び、日によっては店の前に大きなクーラーボクスが積み上がっています。
「当日釣った魚に限る」という条件をクリアし、前日までに電話で予約すれば釣った魚の持ち込みが可能です(予約の状況などで受付けていただけない可能性があるので、なるべく早めの相談がオススメ)。
この日は釣ったアジを「アジフライ」を中心に3品調理していただきました。
更に少しするとお通しの豆腐が運ばれてきます。
それをいただいていると、出ました!豪華に盛りつけられたアジの舟盛りが!
ピカピカに輝く身。飾りに使われているお頭の目も、まるでまだ生きているかのように澄んでいます。
「おいしいーーー!なにコレ!」
という歓声!プリプリの感触に甘みたっぷりの味わいで、全員が感動します!
普段食べているお刺身とはやはり違う。臭みなどまったく感じない、釣りたてだからの美味しさです。
そんな脇で、厨房から「ドンドンドンドン」とリズミカルな音が鳴り出します。
そして出て来たのが、アジのなめろう。
まずはその大きさに驚愕です。これまで色々なお店で出てきたなめろうの5倍はあろうというボリューム。しかもそんな大盛りのなめろうが、なんと3皿も!
いつもはお酒のアテにちょびちょび食べていますが、こんなにあるなら!とみんな豪快にすくって口へ。
これがまた、お味噌とネギと、ほのかな生姜・ニンニクの香りが混じって最高に美味しい。思わず日本酒と白米を追加オーダーしてしまいます。
そこで誰からと言わず作り出すのが、
地方の漁港へ旅行に行ったような、素朴なのに豪華な美味しい丼がそれぞれの前に並びます。これが自分で釣ったアジでできたというから、また感動してしまいます。
ここでお店のご好意で、余ったアジの骨を使って出してくださったのが、
塩味が控えめで、噛めば噛むほどアジの骨から出汁のような旨味がジュワワ〜。これも、お酒によくあいます。
そして、待ってました!のアジフライ!!
ボリュームたっぷりに膨らんだ、黄金色の身。少しだけソースをかけて口に運ぶと…
「お、おいしいーーー!!!」
「アジフライなのにふわっふわ!すごいジューシー」
「甘い!今までのアジフライとぜんぜん違う!」
今日一番の歓声が上がります。
やはり釣り立ての、本来ならお刺身で食べる鮮度の身を贅沢に使ったフライは違います。
以前に船長から聞いた「魚本来の水分が外に出ようとその身を膨らませてふわっふわに仕上がるんだろう」という意見に納得。本当に「ふわっふわ」という言葉がぴったりです。
味もアジ本来の身の甘さ・旨味を存分に感じられて感動の美味しさ。一瞬でお皿からアジフライが消えてしまいました。
この日は持込んだアジの調理代にお蕎麦、ビール・日本酒・ハイボールなどなど思い切り飲んで、1人約5,000円でした。
釣り立ての、刺身で食べられる生の身で作ったアジフライを食べてみたくなりませんでしたか?本当にアジフライの概念が変わります。
また、ビギナーさんでもお手軽・カンタンにチャレンジできる釣りプランがあることも伝わっていたら嬉しいです。
どこかの漁港では釣りたてのアジを食べさせてくれるお店がきっとあると思います。それでも自分で釣ったアジだからこそ、感謝と愛しさで更に美味しさがパワーアップする…!そんな感動を1人でも多くの方に経験していただけたら嬉しいです。
「人生最高のアジフライ」ぜひ体感してみてください。
- <本プラン全体の予算目安>
- 約10,000円(男性は約13,000円)
・乗船、竿などレンタル、仕掛け、エサで4,750円(男性は7,450円)
・調理と酒代で約5,000円(調理代についてはお電話で相談してください)
※船の料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
※飲食店での支払いは持込んだ魚の量や種類、ドリンクの飲んだ量などで異なります。
- <本プランのスケジュール目安>
- 午前船、1日船などのプランもあります。こちらは今回の午後船のイメージ。
12:00 金沢八景の釣り船屋に集合
竿などレンタル
12:30 出港
13:00 レクチャーを受けて釣り開始
時間はたっぷりあるので、自分のペースで休憩しながら楽しみましょう
16:00 釣り終了
16:30 帰港
17:30 川崎の飲食店へ移動
18:00 釣ったアジの特別コースを堪能
※船や飲食店の営業時間は変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
- <オススメの持ち物>
- ・汚れて、濡れて良い服装(寒さや日焼けの対策はやりすぎなくらいで丁度いいです)
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指の第一関節くらいまで切り取っていくと、細かい作業もしやすく便利。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
- <その他>
- ・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。