長崎県の真ん中に、どんと構える大村湾。その北西あたり、湾のほとりにひっそりと佇む小さなお宿に行ってきました。
１日１組限定。まるで親戚の家に遊びに行ったような温かさと笑顔で迎えてくれるこの宿は、まだスタートして１年半ほどなのに6回もリピートする常連さんがいるほど、魅力に溢れています。
人気の秘密は宿を運営するご夫妻の人柄と、一緒に楽しめるたくさんのコンテンツに。
今回は中でも体験される方が多いという、「釣って料理して食べる」プランにチャレンジしてきました。
大人はもちろん、お子さんも気軽に体験できるので、ぜひご友人やご家族で遊びに行ってみてください。
１日１組限定「小さな海から・・・」
訪れたのはハウステンボスから車で30分ほど南に下った、大村湾のほとりにある宿「小さな海から・・・」さん。（送迎サービス要相談）
運営するのはご夫妻2人だけ。１日１組限定で、最大でも6人までしか泊まれない、小さなお宿だと言います。
訪れるまではどんなお宿なのか、少しドキドキ。
しかし迎えてくださったご夫妻の笑顔と、玄関のドアを上げた先に広がる光景に、一気にテンションが上がります。
アイランドキッチンを中心にソファやダイニングが配置された、センスの良い広いリビング。
そして2階にはアンティーク調の家具とベッドの備わった、同じく広々としたベッドルームが。
どちらも目の前の海を見渡せる大きな窓があって、ここを自分たちだけで占有できるのかと思うと、ワクワクが止まりません。
リビングを出ると、テラスに椅子やソファが置いてあり、のんびりと海や花を見て過ごせます。
足元にはかわいらしいネコちゃん。こちらにはコロちゃん、トラちゃんという２匹の看板ネコがいて、彼女たちの気分次第で同じ空間を過ごせます。
ちなみにお風呂もオススメで、大きな窓を開けて海を見ながら入浴を楽しめます。
大自然だからこそできる贅沢。この日はボーッとお湯に浸かっていたら、目の前の柵を蟹が横切っていきました。
自然や文化を味わえるコンテンツが盛りもり
こんな素敵な宿を独占できるなんて最高！ですが、この宿が人気な理由は、大自然を満喫できるコンテンツにも。
実はご主人が元々アウトドア用品を販売する仕事をされていたため、釣りや虫取りなど外遊びの腕はプロ級。
草花からハーブウォーターをつくったり、海岸で拾ったシーグラスや流木でアートをつくったり、奥さまも一緒に、この土地ならではな遊びを色々体験させてくださいます。
しかもご主人は中学生の頃からお料理もずっとされていたそうで、こちらの腕も凄いんです。
自然遊びで収穫した食べ物などは、一緒に料理をして食べることまでできちゃいます。
「自分で獲ったものを、自分で料理して食べる」。そんな当たり前のようで贅沢な体験、ぜひチャレンジしてみませんか？
ということで、私は「魚を釣って料理して食べられる」プランを選択。
初日はのんびり景色やご夫妻との会話を楽しみ、豪華なご飯をいただいて、翌日の釣りに備えます。
ご主人の船で手ぶら釣り
釣りといえば朝が早いイメージがあるかもしれませんが、豊富な魚に恵まれた大村湾ではその必要がありません。
朝はゆっくり寝て、9時から朝食。ご夫妻と会話を楽しみながら一息ついて、10:30頃に釣りの準備をはじめました。（時間はご夫妻と相談して自由に決められます。）
と言っても、宿泊者の準備は動きやすい服に着替えるくらい。道具もエサも、飲み物までも、すべてご夫妻が準備してくださいます。
そして釣り船は宿の目の前なので、移動の必要もなし。
この日は奥さまに見送られながら、ご主人と2人で釣りに出ました。
長崎県の中にすっぽりと囲まれる形の大村湾は、外の海流と切り離されていて、とにかく穏やか。まるで湖のように静かな海面を、景色を楽しみながら進みます。
そしてわずか15分ほどで、この日の釣りスポットに到着。
道具のセットやエサ付けは全てご主人がサポートしてくださいます。
ちなみにこの日のエサは虫だったので、虫が苦手な私は、エサの付け替えも魚外しも、すべてご主人にお願いしました（笑）。
準備ができたら、さっそく釣りスタート。
ご主人が横について、竿の使い方から釣り方まで、丁寧にレクチャーしてくださいます。
「まあ、大村湾は魚が豊富だから、すぐ釣れちゃいますよ。」
そんな言葉を聞いた瞬間、私の竿先がブルブルッ。
ゆっくり糸を巻き上げていくと、海面に白い影が。
一投目、しかも開始30秒ほどで、今日の本命「キス」を釣り上げました。しかもダブル！
そこからも、ご主人との会話を楽しみながら糸を垂らすと、面白いようにキスが食い付いてくれます。
こんなに親切なサポートがあって魚も豊富なら、初心者さんでも、お子さんでも、釣れること間違いなし！
楽しく気軽に釣りを体験してみたい方にオススメです。
（もっと本格的な釣りにチャレンジしたい方は、湾の外で大物を狙うプランもあり）
途中、キスに混じってイイダコが釣れるシーンも。
1時間ほどで30匹弱のキスを釣り、宿へ帰りました。
釣りたての魚を料理して食べよう
宿に帰ったら、さっそく料理。
まずはご主人にお手本を見せていただき、その後に自分もチャレンジします。
この日のメニューは天ぷら。三枚おろしでなく、尾の部分が繋がった状態になるよう捌きます。
鱗をとって、頭を落とし、頭側から尾に向かって包丁を入れます。しっかり身が残るよう、ゴリゴリ音がするくらい骨に刃を這わせるのがポイント。
最初は少しとまどいますが、ご主人が付きっきりでアドバイスしてくださるので、すぐに上達。
「ここを押さえると手を切らない」など細かく教えてくださるので、小さなお子さんでも安心してチャレンジOK。
魚捌きが気に入って、「僕が全部やる！」とご両親のぶんまでやりだすお子さんもいるそうです。
捌いた魚は、地のお野菜と一緒に衣をつけて油へ。
ここでお客さんは席につき、揚げたてをすぐ食べられるようスタンバイさせていただけます。
そして揚げたて熱々の天ぷらをご主人が運んできてくださり、目の前のお皿に。
熱々を口に運ぶと、サクッと音がした次の瞬間、ふわっふわホクホクのキスの食感。
臭みがまったくなく、甘みを含む旨味の汁がじゅわじゅわ沸き上がってきます。
実は冷凍物が多いという、キスの天ぷら。釣りたてのキスは香り、食感、味わい、そのすべてがまったく違います。
あまりの美味しさに、どんどん箸の進む私。そして椀子そばのように、どんどん揚げたてを運んできてくださるご主人。
10匹以上のキスをいただいて、お腹いっぱい贅沢なランチとなりました。
食後は昔ながらのカキ氷機で、ブロック氷をゴリゴリ。
ご夫妻の手作りイチゴシロップをたっぷりかけた、特性カキ氷で締めました。
さいごに
「小さな海から・・・」さんは宿自体も素敵ですが、何よりご夫妻のお人柄や大自然を味わえるコンテンツなど、中身がとにかく魅力的な宿でした。
１泊２日しかいないのに、帰るときには親戚のような安らぎと温かさを感じるように。
「秋になったらイイダコを釣ろう。冬になったらオリジナルのベーコンを作ろう。」と、まるで自分が幼少期に戻って、田舎に住む大好きなおじさん夫婦と、次の長期休みの計画をたてるような…。
そんなワクワクした感覚が蘇る、素敵な旅になりました。
大人だけでも、お子さんが一緒でも、きっと誰もが純粋な気持ちになって楽しめる宿です。
私もきっとまた泊まりに帰ります。
本プランの概要
- ＜お勧めの時期＞
- 1年中
（季節によって体験できるコンテンツが変わります）
- ＜本プランでお世話になったお店＞
- ・宿：小さな海から・・・
- ＜本プラン全体の予算目安＞
-
・宿：大人は３名まで12,000円、４名以上で10,000円/1人。子供は8,000円/1人。乳児は1,000円/1人。（１泊２食、保険付き）
・釣り：8,000円（6人までは何人でも同額。レンタル・エサ代など込み）
・釣った魚の料理＆実食：1,000円/1人
※料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
- ＜本プランのスケジュール目安＞
-
※時間は上下します。下記は1つの目安としてご覧ください。
１日目
16:00 チェックイン
のんびり過ごす
19:00 夕食
のんびり過ごす
2日目
9:00 朝食
10:30 釣り出発
10:50 レクチャーしてもらって釣り
12:00 釣り終了
12:30 宿に戻って調理
13:15 実食
のんびりしてチェックアウト
- ＜オススメの持ち物＞
- ・★酔い止めは、不安な人は飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
- ＜その他＞
- ・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。
