下田で初心者さん歓迎の大物釣り!獲ったどーの後は0円料理!?


下田は伊豆半島の南部に位置し、海水浴や美味しい海産物が人気の観光地。
つまり「海」が注目されている地域ですが、“釣り”という観光コンテンツの認知度はまだまだ。

ということで、前の記事では「2時間半ぽっきりで何もかもやってもらえる超お手軽釣り&美味しく食べさせてくれるプラン」をご紹介しました。
とにかく気軽に釣りを試してみたい、小さなお子さんが一緒…といった方はこちらがオススメ!

でも、せっかく下田まで行ったなら大物釣りにチャレンジしてみたい!という方もいると思うので、今回は「初心者さんでもレンタル&レクチャー付きで大物チャレンジできる&美味しく食べさせてもらえるプラン」を見つけてきました。

運が良ければ「獲ったどー!」と叫びたくなるほどの大物が釣れることもあるので、運試しを兼ねてぜひ試してみてください。

大物釣りにチャレンジできる「兵助屋」


訪れたのは下田駅から車で5分強。海沿いにある釣り船屋「兵助屋(ひょうすけや)」さん。

こちらは大物狙いが基本ですが、初心者さんにも優しい船。
竿など専門的な道具はもちろん、防水ウェアや長靴なども全てレンタルできます。


手が汚れたりケガしたりするのを防ぐビニール手袋や、寒い時期に嬉しいホッカイロなどは0円で使い放題です。

また、初心者さんやお子さんが一緒のときなど、1人でずっと釣り続けるのが大変そうな場合は、数人で1本の竿を使うのでもOK
料金は竿の数だけで大丈夫です。

船に乗り込むのは夜明け前

大変なのは朝の集合時間。
なんと早朝5:00ということで、こちらにお邪魔するときは前泊か深夜の運転が必須。
兵助屋での素泊まり(3,240円)も可能です。


お客さんが揃ったら港へ。
レンタルした道具は自分たちで船まで運びますが、セッティングはお願いできます。

早起きは辛いけど、この朝焼けは見る価値あり

徐々に朝日が昇る美しい景色を見ながら出港。
20〜30分ほどかけて、この日の釣りスポットへ向かいました。

大物釣りスタート


到着したらレクチャーをしていただきます。
兵助屋の船長さんは個々の好奇心を邪魔したくないという理由で、ざっくりした流れだけを説明されます。
道具の使い方や一連の細かい作業などは、お願いすれば教えてくれる…というスタンスなのですが、私個人としては最初にしっかりお願いして事細かに教えてもらうのがオススメ。

せっかく大物がHITしたのに逃がしてしまう…なんて悲しい事件が起きないよう、基本や注意点をしっかり習って挑みましょう。

レクチャーが終わったら、いよいよ釣りスタートです!

防水ウェア、長靴、ライフジャケットもレンタル

今回のターゲットは真鯛。エサは小さなエビ。
まさに「エビで鯛を釣る」です。

真鯛の他に、ワラサ(小さめのブリ)やカンパチ、シマアジなど、大きな高級魚が混じってくることもあるそうで、釣る前からドキドキワクワクです。

魚がいる水深を船長が指示してくれるので、そこにエサがくるよう糸を垂らします。(釣り糸は1m・10mごとに印がついていて、その数を数えて深さを合わせられます。)


釣り始めて10分ほど。
景色を楽しみながらぼーっと竿を垂らしていると、竿先にググッググッググッと異変が。

ゆっくり糸を巻き上げてみると

美味しそうな真鯛が釣れました!
大きめの土鍋にギリギリ入りそうなサイズ。丸ごと鯛飯にしたいです。

幸先よくターゲットを確保して、早くも満足気味の私。
しかし、下田の実力はこんなものではありませんでした。

再び糸を垂らして10分ほど。
朝が早かったので眠くなってきた私が目をしばしばさせていると、目の前の竿が先ほどより激しくググググッと海の方へ引き込まれます。

慌てて竿を手に取り、重いハンドルをゆっくり巻き巻きしていくと

またまた真鯛が釣れました。サイズは先ほどの2倍以上!
お相撲さんのお祝いで使いそうな立派な鯛です。

「やった〜!」と大喜びしていると、隣から「キター!」と言う声が。
声の方を向いてみると、常連さんの竿が思い切り曲がっています。

男性でも立ち上がって踏ん張らなければ、持って行かれてしまいそうな重み。

常連の男性でも1人で釣るのは難しいサイズ!

釣りたての真鯛を置いて、私も応援。
数分のバトルの後、他のお客さんの助け(タモですくう)もあって、ようやく、


ドーン!ワラサが上がりました。
ワラサはブリの一回り小さいもので、60-80cmをワラサと呼びます。
ブリほどではないものの、大きくて羨ましい。

と、船の反対側でも「こっちもきたよ!」と声が。

こちらもまたまた大物。高級魚のカンパチが釣れました。

大きな真鯛もじゅうぶん嬉しいのですが、この2本を見ると私も大きな青魚が釣りたくなります。
心機一転、大物を狙って自分の釣りを再開します。

そうして1時間ほど。
なかなかHITがなく、再び眠さでウトウトしはじめた私の竿が、突然グイーーーーンと海中に引き込まれます。

「きた!竿をしっかり立てて踏ん張って!」船長の号令で竿を持って立ち上がる私。
なのですが、男性との馬力の違いを実感。


最初はなんとか腕と腹筋、背筋を駆使しして踏ん張っていたのですが、

腕が上がらなくなってくる…

徐々に…

座った状態で足も使って踏ん張る

立っていられないほどに。
この日は“電動リール”といってスイッチを入れると自動で糸を撒いてくれる道具を借りて挑みましたが、竿を支えるだけで精一杯です。

自分の力だけで巻き上げる方たち、本当にすごい。

先ほどと一転、常連さんたちに応援したただきながら「もうダメだ〜」とブルブルしながら10分強のバトル。

「早く巻き上げないと、サメがきて食われるぞ〜」なんてハッパを掛けていただきながらなんとか(本当にあるそうです。)、


「獲ったどーーーーー!」
大きなワラサを釣り上げることができました。
苦労した分、感動と愛おしさがこみ上げてくるようです。

「今日釣れたなかで1番大きいよ!やったね!」とみなさんに褒めていただき、大満足。

大物はHITしないこともあるし、釣り上げようとしても失敗することもある。
だからこそ釣れたときの感動はひとしお…!ということを実感しました。

この後、腕がガクガクになる

その後も楽しく釣りを続け、なんともう1匹ワラサ!


太ももからはみ出る美味しそうな真鯛、

こちらも高級魚

さらにイサキを数匹釣り上げました。

朝は早かったけれど、せっかく下田まで来たからと頑張った甲斐がありました。
達成感いっぱいで港へと戻ります。


港で大きい方のワラサを計ったら、なんと4kg超え
これを釣り上げたって、改めてすごい!

自分で食べきれそうな分の魚(真鯛とイサキ1匹ずつ)だけ残して、ワラサ含め他の魚は兵助屋さんで販売する発泡クーラーに氷と共に詰めて、知人の元へ送りました。

釣った魚を捌いてくれる「なかがわ」

釣りだけでも本当に大満足な体験になりましたが、せっかくなので釣った魚を地域で食べて帰りましょう。


ということで、下田駅から徒歩4分にある飲食店「なかがわ」さんへ。


こちらは定食や丼など1人1品以上を注文すれば、釣った魚をなんと“無料”で捌いてくださいます
(※捌くのに人件費がかかるので、ご迷惑にならないようしっかり注文してください!)

今回は真鯛とイサキを1匹ずつお願いしました。
魚を預けてしばし待ちます。


すると、先ほどまで元気に泳ぎ回っていたさかなたちが、こんな美味しそうな料理になってかえってきました。

さすがプロに捌いていただくと綺麗!
嬉しくて思わず何枚も写真を撮ってしまいます。

真鯛のお造り

真鯛は半身は皮をひき、もう半身は皮をつけたまま軽く炙ってくださいました。


新鮮で臭みのない身は、口に運ぶとぷりっぷりの弾力が。
噛み締めると優しい旨味がどんどん溢れ出してきます。


炙った皮は香ばしく口から鼻に香りが抜けていきます。
身と皮の間に旨味がある…と言われるように、皮付きの方が旨味も濃いみたい。


食べ進んで行くと、一部の刺身の舌に柑橘が。
柑橘の香りと、若干の酸味・甘みを含んだ鯛も爽やかで美味しかったです。
この部分は塩で食べてもよさそう。

鯛の皮の湯引き


お刺身の半身でひいた皮は、捨てずに湯引きしてだしてくださいました。
ネギと大根おろし、ポン酢で和えられた皮はさっぱりしながらも潮の香りと魚の旨味がじわじわ沸いてきます。

これは日本酒と合わせたくなる一品。

イサキの塩焼き


イサキはシンプルに塩焼きで。
ホクホクの身は釣りたてならではのジューシーさも持っており、ふわふわの身をギュッと噛むと、じゅわっと旨味の汁が滲み出してきます。


そして柑橘系が豊富な伊豆半島だけあって、こちらにもミカンが添えてあります。
半分ほど食べたところで絞ってみると、ふわっと優しい柑橘の香りが。


味は多少さっぱりしますが本来の旨味を邪魔することなく、ほのかな香りが上品でありながら食欲を増長させてくれます。

こんなにしっかりお料理してくださって無料とは…。
「下田を盛り上げるため」「観光客に楽しんでもらうため」という考えに頭が下がります。

魚を持ち込むときはお店にマイナスにならないよう、しっかり他のメニューも注文しましょう!

さいごに

今回は下田で「初心者さんでもレンタル&レクチャー付きで大物チャレンジできる&美味しく食べさせてもらえるプラン」を体験してきました。

お手軽なプランもオススメですが、せっかく下田まで行ったなら大物チャレンジも楽しいです。
運試しを兼ねて挑戦してみてはいかがでしょう?

本プランの概要

<お勧めの時期>
年中
<本プランでお世話になったお店>
・釣り船:兵助屋
・飲食店:なかがわ
<本プラン全体の予算目安>
・釣り船:約15,000円(各種レンタル代やエサ代など含む。数人でシェアOK。)
・魚の調理代:0円(必ず定食か丼を1人1品以上注文すること。)
※料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
<本プランのスケジュール目安>
5:00 お店に集合。レンタルなど準備。
6:00  船に移動。セッティングなどしてもらう。
6:10  出港
6:45  レクチャー
7:00  釣りスタート(各自のペースで休憩などしながら)
13:00 釣り終了
13:40 帰港
14:30 飲食店へ移動し、料理してもらって食べる
※繁忙期は飲食店に持ち込めない可能性があります。必ず事前に確認してください。
※飲食店に持ち込める時間は込み具合で前後します。
<オススメの持ち物>
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。更に手にフィットする薄手の手袋を中にすると、ニオイがつくのも防げます。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
<その他>
・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。