「フグをこれでもか!と食べきれないほど贅沢食いしてみたい。」
この願望に賛同してくれる方に今回のプランをオススメします。
普通、フグ料理のお店で食べきれないほどにフグを食べたらものすごい額になると思いますが私は今回、なんと約1.2万円で1日たっぷり遊んで「10万円分のフグを食べ放題!」してきました。
その舞台は、東京です。
まずは手ぶらで10万円分のフグを釣りに!
訪れたのは羽田空港近くの天空橋という駅から徒歩で10分弱の、釣り船屋「えさ政」さん。こちらでは竿や仕掛け(ターゲットの魚に適した針や糸などの部品がセットされたもの)、エサにライフジャケットなど特別な道具は全てレンタルでき、初心者には丁寧にレクチャーもしてくれます。
朝6:45頃現地に到着し、さっそく受付け。船着き場の横に小屋があって、おかみさんに「何も持って来ていない」「初めてだからレクチャーしてほしい」ことを伝えると、笑顔でテキパキ準備をしてくれました。
竿など道具を受け取ってさっそく船へ。ちなみにこの日のエサは海老フライに使いそうな立派なサイズのエビ。
少しするとおじさんがやってきて、「フグ釣り初めてなんだよね?釣り方とかいろいろ教えるね」とレクチャーがスタート。竿の使い方からエサの付け方、フグの特性や釣り方を順番に教えてくれました。
フグは「引っ掛けて釣る」というのが基本で、魚がえさをパクッと食べたときに口に針をかけて釣るのでなく、えさに気付いたフグが集まって来たときに、エイヤッと竿を立てることでフグの体のどこかに針を引っ掛けて釣るとのこと。
集まって来たな〜という感覚は慣れるとわかるらしいけれど、慣れないうちは気付けないのが普通らしく、竿から糸を出してエサが底についたら(仕掛け・エサが底に着くと重みを感じなくなり、かつ糸が出なくなる)、数十秒数えてエイヤッと竿を立てるのを繰り返せばOKだそうです。
レクチャーが終わって少しするといよいよ出港。
天空橋の土手を出発し、羽田空港の横を走行。晴れた空に飛行機が飛んで、その景色の間に船がたてる白い波しぶきが続きます。
海から見る高層ビルや工場、空港はいつも身近にあるはずの景色なのに、知らない場所に来たみたい。そのうち水平線の遠くに半島が見えるくらいになって、周りにはカモメしかいなくなりました。
普通は船に乗ることさえない方には、これだけでもちょっとした非日常体験!
ちなみに移動中にたまたま隣になったおじさんに話を聞くと、あまり釣れない日もあるけれど、調子の良い日にはなんと一人で十匹以上も釣り上げるそう!これは食べ切れない程の贅沢食いに向けて、期待が高まります。
初フグ釣りスタート!
さきほどレクチャーしてくれたおじさんは船のスタッフさんで、私の第一投を傍で見守ってくれました。
ゆっくりエサを底まで落として、、エイヤッ!落として、、エイヤッ!!繰り返すこと数分。
エイヤッ!ヤッ!ヤッ!ヤッ!?
「なんだか、重い?・・・重い!!!」
「わーーーーーー!何これ、大きい!!」 いきなりでっぷりした良いサイズのフグが!
ビギナーである私が船で最初に大本命のフグを釣り上げました。
これには船長はじめスタッフさんも周りの知らない釣り人さん達もびっくり&大喜び。
(釣り船は貸切にしない限り知らない人たちと相乗りするのが基本なのですが、意外と和気あいあいしていることが多いんです。
もちろん相手によりますが、特に女性は勇気を出して話しかけると、常連さんが親切に釣り方を教えてくれたり、釣れた魚をいただけたり(驚)、嬉しい出会いになることも。)
「これは買ったら高いぞ〜。フグの中でも高級なアカメだぞ。」
船長に褒めてもらえて、ますますエイヤッに気合いが入ります。
途中でなぜか大きな蛤の殻や、かわいいヒトデを何匹か釣り上げ、、隣のおじさんが釣ったアイナメを羨ましがり、、そんな間もがんばってエイヤッを繰り返したところ・・・
結果、でっぷりしたアカメフグを4匹も釣り上げることができました。これは料亭で食べると10万円はくだらない量とのこと。
今回の船は男性が9,800円、女性は半額の4,900円(エサ代込)、それに竿代が500円、仕掛けが500円だったので、私は5,900円で10万円分の高級フグを獲得することができたのです!
しかも海でたっぷり癒されて、景色を楽しみ、釣りという刺激を存分に味わったうえで。これは本当にお得!!
釣ったフグは港への帰り途中に船上で専門スタッフさんが手早く処理してくれるので、毒の心配もありません。1匹にかかる時間は数十秒。職人芸に惚れぼれします。「本当によく頑張ったね!またおいで!」
まるで親戚のおじさんのような温かいお言葉を船長たちにいただき、船を後にしました。
フグは既に処理してもらえているので、自宅に持ち帰って食べるのももちろんOKです。
しかし私にはぜひオススメしたいプランが…。
それは、プロの料理人に最高の特別フグコースを作ってもらうことです!
10万円文のフグをフルコースに!
やってきたのは五反田駅から徒歩5分のおまつり本舗さん。
店主が大の釣り好きで、普段から店主の釣った美味しい魚をたらふく食べられます。
事前に連絡して余裕があれば、釣った魚を持込んで調理してくださる素敵なお店!
今回はフグの特別オリジナルコースでご相談して伺いました。
来店して20分ほど。生ビールをいただいて待っていると…さっそく出ました!
なんとこちら通常のテッサの3倍の厚みで切ってくれているそう。新鮮だから厚く切ってもお皿の模様が透けて見えるほどに透明なんだそうです。
1枚でもちろん食べ応え十分なのですが、なんせ10万円分も大量にあるので、ごそっといきます。もったいながる必要はないのです。
紅葉おろしとネギを乗せて、ポン酢をちょっとだけつけて、、、
うっうまーーーーーーーい!!!
実は数日寝かせた方が美味しくなるよと船でアドバイスいただきましたが、十分すぎる美味しさです。今まで食べたテッサのなかで1番と言っても過言ではない、甘さ、旨味、歯触り。これで寝かせた方が美味しいとは、新鮮なフグの潜在能力におののくほど。
こんな大量のテッサ、これだけでお腹いっぱいになってしまうかも…と思いましたが(この日は友人を呼んで2人で食べました。)、杞憂でした。あまりの美味しさに一瞬で完食。
そんなテッサ祭りが終わったタイミングで店主が持って来て下さったのが、小さな網のコンロ。次のお料理は…フグの塩焼き!
店主いわく、新鮮な身は塩分に反応して反射で動くのだそう。
(テッサは動かなくなるように身の繊維を断ち切るようにさばいていた)
改めて命に感謝しながら、その身が焼けるのをじっと待ちます。
徐々に香ばしいかおりがじわ〜っと立ちこめ、うっすらと表面に焦げ目が。我慢の限界を迎える頃に店主が仕上げのワサビをくれて、ついに完成。
この塩焼き、絶対に箸で切らずにそのまま頬張って下さい。
なぜなら、噛み切った身の中からまるで肉汁!?と思うように、旨味の詰まった甘い汁が溢れてくるのです。
そこにワサビのつんとした香りが爽やかで…これはもうたまりません!
ここで店主がススメてくれたのが山口県の日本酒「原田 特別純米酒 樽出あらしぼり」。
メロンのようなほのかな甘みと、澄んでいるのに深い味わいが塩焼きに合いすぎました。
そして次に店主が運んで来てくれたのが…お鍋いっぱいのフグちり!
テッサと塩焼きで埋まってきていたはずの胃が、徐々に立ちのぼる香りを嗅いだ瞬間に隙間を空けていくのがわかります。
ブシューーーー!と勢いよく湯気が立ちのぼって、ついにフグちりも完成。
蓋を空けると、そこにはツヤッツヤでぷりっぷりな身がギッシリと!
一切れ持つと、「お、重い!!」
口にいれた瞬間、驚くほどの身のぷりぷり感とシャキシャキ感。そしてフグから出た出汁をフグの身がまた吸って…とにかく美味しい。
一緒に入っていた白菜やネギもフグの旨味がしっかりとしみ込んでいます。
そしてラストはフグの出汁を一滴も残すまいと卵でとじられたうどん。
こんなにフグを食べたことは当たり前ですがありません。
10万円分のフグを全て完食。まさに「フグをこれでもか!と食べきれないほど贅沢食いしてみたい。」という願望を叶えられた一日でした。
こちらでのお会計は、これだけ食べて、ちゃっかりビールや日本酒をたっぷりいただいて、1人6,000円弱。フグという高級食材を持込んだからこその価格です。
フグは東京湾にいろいろな種類が生息しており年中狙えるターゲットです。4,5月のトラフグはちょっと難度が上がるらしいですが、一攫千金のわくわく感を持って、ぜひチャレンジしてみてください!
本プランの概要
- <お勧めの時期>
- 年中
時期に寄って釣れるフグの品種が異なります。品種で難易度が変わるので、詳しくは釣り船屋さんにお問い合わせ下さい。
- <全体の予算目安>
- 女性 約12,000円、男性 約17,000円
(乗船、竿などレンタル、仕掛け、エサ、飲食店での調理、酒代を含む)
※船の料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
※飲食店での支払いは持込んだ魚の量や種類、ドリンクの飲んだ量などで異なります。
- <スケジュール目安>
- 6:45 天空橋の釣り船屋に集合
竿などレンタルして、レクチャーを受ける
7:15 出港
8:00 釣り開始
時間はたっぷりあるので、自分のペースで休憩しながら楽しみましょう
14:30 釣り終了
港へ戻りながらフグの処理をしてもらう
15:30 帰港
16:00 移動開始
19:00 特別フグコースを堪能
お祭り本舗さんは土・祝が19:00、平日が18:00 OPEN
釣った魚を先に届けて、自宅や近くの銭湯などでゆっくりするのがオススメ
※船や飲食店の営業時間は変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
- <オススメの持ち物>
- ・汚れて、濡れて良い服装(寒さや日焼けの対策はやりすぎなくらいで丁度いいです)
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切りとっていくと、細かい作業ができて便利。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
- <その他>
- ・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手なので、そこだけご承知いただけますよう、よろしくお願いします。