全国にたくさんある“漁港の食堂”。
獲れたての美味しい魚が味わえると人気のお店も多いですが、平塚に他とは違う「最先端の漁港食堂」があるということでお邪魔してきました。
しかも「釣った魚の持ち込みもOK」ということなので、前編では食堂からすぐの港で初心者さんに優しい釣りを楽しんできました。
>前半の「初心者さんに優しい工夫いっぱいの釣り船」編はこちらをご覧下さい。
大人気の漁港食堂へ
時間は14:30過ぎ。釣った魚を持って「平塚漁港の食堂」さんへ向かいます。
もうランチの時間は過ぎていますが、この時間でもお店の前には人が。
中に入ると「漁港の食堂」というイメージとはかけ離れた、カフェのような開放感ある空間がひろがります。
そのせいもあってか、家族連れやカップルなど女性も多数。多くの人でにぎわっていました。
席につくと、さっそくお料理が運ばれてきます。
預けてから15分ほどしか経っていないのに、次から次へ。
料理してくださる方の仕事の早さにびっくりです!
アジとアカイサキのお造り&なめろう
この短時間で、美しい姿作りになめろうまで。
さっそくアカイサキからいただきます。
真っ白な美しい身ですが、甘みとコクがしっかりあります。
コリコリした食感が楽しく、どんどん箸がすすみます。
次はアジのお刺身。
臭みゼロでぷりっとした食感。
安定の美味しさです。
なめろうはトロッとするほど滑らかにたたかれていて、絶品。
アジ自体の濃い味わいに、みょうがや小ネギなど薬味がたっぷり入っていて、白飯がほしくなります。
アジフライ
やはりアジを釣ったら、生アジフライは絶対です!
自身の旨味と水分をたっぷり詰め込んだ状態で揚げられたアジは、内側から逃げようとする水分で身がぶわっと膨張。
普通のお店でいただくアジフライとは、感触が全く違います。
このふわふわ食感は本当に病み付き。
サバの立田揚げ
釣りたてのサバも、ふわっふわに揚がっています。臭みはまったくなく、サバ本来の旨味と下味が混ざって絶品。
こちらはお酒がすすむ味です。
アジの塩焼き
シンプルな塩焼きですが、釣りたてのためお箸をさすだけでジュワッと旨味の汁が溢れてきます。
噛むごとに美味しさが口いっぱいにひろがって、幸せ。
アカイサキの煮付け
最後は煮付け。
しっかり味のタレで煮付けられていますが、イサキ自体の味が濃いため全然負けていません。
金目鯛を思い出す味と食感。
ふっくらした身から旨味が滲み出し、最後にしょうがの爽やかな香りが〆てくれます。
お腹いっぱい!大満足。
こんなにたくさんの料理を、しかも持込んですぐに出してくれる料理長。どんな方かとおもったら、なんと35歳というお若さでびっくりしました!
「すごい技術ですね」と言うと、そこには秘密があったのです。
漁港と地域の媒体を目指せ
「平塚漁港の食堂」は、実は決まったメニューがありません。
メニュー表を見ると「定食」「丼」などざっくりとは表記してあるものの、何の魚をどう使うかは、なんと料理長でさえ朝の準備時間になるまでわからないそう。
それというのも、この食堂は代表の常磐さんが、
「平塚漁港と地元のヒトを繋ぐ媒体」
をつくりたいとはじめられたお店。
その状況を打ち破るには、高級な魚を同じ価格で仕入れてお店で出すしかない。
でも、地元なのに観光地と同じ高値で料理をだすのは何だかおかしい。
そうして行き着いた答えは、高級な魚と一緒に獲れる「低利用な魚」や「大漁に獲れて値がつかない魚」を活用することで、全体のバランスをとること。
ただ、そうした魚は当たり前ですが前もっての予約が不可能。
当日の早朝に仕入れにいって、はじめて何が買えるかわかる…のが現実です。
細かな原価計算などがあるため仕入れは代表が行い、料理長は社長が購入してきた魚を見てはじめて「今日はこの魚を使うんだ」とわかります。
そんな状況にも関わらず、ありがたいことにお店は毎日お客さんでいっぱい。
週末には4時間で250人分の食事をつくるそう。
よって、「どんな魚がきても、超短時間で美味しく料理する」技術が自然と養われたと言います。
それは私の釣ってきた魚をお料理するなんてお手のもの。
他にも平塚漁港の食堂では面白い取り組みをたくさんされています!
こちらのストーリーは詳しく取材させていただいた記事を、「Rettyグルメニュース」さんで配信しているので、こちらもぜひ読んでみて下さい。
漁港と共に地域をもっと盛り上げたい
「それでも釣った魚の調理なんて、大変じゃないですか?」と代表の常磐さんに聞くと、驚きの回答が。
実は、今回お世話になった庄三郎丸さんは漁師としても活動されており、受付けにいらっしゃったニコニコのおじちゃんが、この地域の組合長だそう。
平塚漁港の食堂をはじめるにあたって、漁港の仕入れ先を探すなかで相談していたのが、あのおじちゃんだったのです。
そして組合長から「釣った魚を料理する仕組みをつくってほしい」とオファーされたのが、この取り組みのキッカケだそう。
幸い食堂では先の理由で、たいていの魚ならすぐに料理できる腕があり、尚かつ付近の釣り船が港に戻って来る時間が、ちょうど食堂のピークが終わる頃のため、「それではやってみましょう!」となったそうです。
今では調理はもちろん、釣り人が30kgのマグロなど持って帰れない&食べきれない魚を釣った際に、釣り船屋さんを通して買い取ってあげることもあるそう。
こうして漁港と連携して、地元の人や遊びにくる人たちの満足度を高めていく取り組みをたくさんされています。
普通に食べにくるも良し、釣った魚を持ち込むも良し。
「地元の魚を美味しく食べられる場所を!」と熱い想いがつまった最先端の漁港食堂に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
>前半の「初心者さんに優しい工夫いっぱいの釣り船」編はこちらをご覧下さい。
本プランの概要
- <お勧めの時期>
-
年中
※季節によって釣れる魚や釣り方は様々です。
- <本プラン全体の予算目安>
-
約10,500円(男性は約13,500円)
・乗船、竿などレンタル、仕掛け、エサで約8,000円(男性は約11,000円、大学・高校生は約8,000円、中学生は約7,500円、小学生は約7,000円)
・調理代で約2,500円(調理代についてはお電話で相談してください)
※船の料金などは変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
※飲食店での支払いは持込んだ魚の量や種類、ドリンクの飲んだ量などで異なります。
- <本プランのスケジュール目安>
-
6:00 腰越駅に集合
送迎車で港へいき、竿などレンタル
6:30 出港
7:00 レクチャーを受けて釣り開始
時間はたっぷりあるので、自分のペースで休憩しながら楽しみましょう
13:30 釣り終了
14:00 帰港
14:30 飲食店へ移動
お料理していただいて食べる
※船や飲食店の営業時間は変更する可能性があるので、予約時に確認してください。
- <オススメの持ち物>
-
・汚れて、濡れて良い服装(寒さや日焼けの対策はやりすぎなくらいで丁度いいです)
・100円均一で軍手やガーデニンググローブを買っていくと、魚や針で手を傷つけるのを防げます。親指、人差し指、中指を第一関節くらいまで切り取ると細かい作業がしやすい。
・100円均一で先の長いペンチなどを買っていくと、魚が針を飲み込んでしまったときなどに外しやすいです。
・★酔い止めは普段酔いにくい人も必ず飲むようにしましょう。アネロンが特にオススメです。
・タオルがあると、魚をつかんだり、汚れを拭いたりするのに便利です。貸してくれる釣り船屋さんもあるので、予約の際に確認するのがオススメです。
・★船の上で食べ物、飲み物の販売はありません。船に乗っている時間を計算し、予め購入していきましょう。
- <その他>
- ・本プランは必ず魚が釣れることを保証するものではありません。自然が相手であることをご承知下さい。